9月下旬になったのに、まだ真夏日が続いている。朝晩は少しの冷気を含んだ空気になり、微かな秋の気配を感じるようにはなっているが、それでも日中は残暑が厳しい。日本の四季は、本当に夏と冬の二季になってしまうのか。季節の移ろいを楽しむ気分に浸るこ…
前回の記事では、『妻の終活』(坂井希久子著)という小説に触発されて、「男おひとりさまの老後を見据えて」の対応について自分事としてとらえ考えたことを綴ってみた。その中で、今後自分がおひとりさまになった時を想定してみると、今から精神的かつ生活…
「女性の方が平均寿命は長いから、普通は旦那の方が先に逝くんじゃないか。」 「でも、先々のことは神様だけしか分からないから、逆の場合もあるよ。その時は男のおひとりさまの老後になるけど、大丈夫なの?」 亡き義母の遺産相続の手続きをどうするか、義…
7月20日(木)に当市の医師会健診センターで受けた「日帰り人間ドック」の結果報告書が、8月3日(木)に自宅へ送付されてきた。早速、総合判定を見てみると、何と「5 精密検査を必要とします。」に星印が付いているではないか!一体、何の検査項目が引…
前回の記事でとり上げた『ある男』(平野啓一郎著)の内容は、凄惨で不幸な自分の過去を捨てて、全く別人の人生を生き直そうとした「ある男」の身元調査の過程が謎解きになるという、ミステリー仕立てのストーリーだった。フィクションとは言え、「ある男」…
暑い!本当に暑い!!四国地方の梅雨明けは例年より少し遅かったが、その前から酷暑の日々が続いていた。そのため、私は早くも夏バテ気味になり、当ブログの更新もままならない情況だった。書斎のクーラーが故障していて、パソコンでキーボードを打つなんて…
私は時々、昼休みの時間を利用して職場近くにある市立中央図書館へ足を運ぶことがある。つい先日も暇つぶし程度の感覚で訪れ、特に当てもなく小説のコーナーをうろついていた。すると、私の目が、黄色地に黒の字で書かれたある本のタイトルに惹き付けられた…
年に何回か「時代小説が読みたい!」という思いに心が囚われて、古書店の時代小説の棚にどうしても足が向いてしまう時がある。それが6月下旬だった。以前に新刊本が出た時に、「面白そうだな。」と思って気に留めただけの時代小説の単行本を、今回二冊購入…
先日の日曜日、車で約1時間半の場所に住んでいる二女とその長男M(私たち夫婦にとって二人目の孫)を訪れた。父親は、市役所の秘書課勤務なので日曜日でも出勤していて不在。Mとは久し振りの再会だったが、すぐ私たちに甘えてくれた。まだ2歳4か月なの…
前回の記事で、5月のNHKのEテレ番組「100de名著」で取り上げられたヘーゲルの『精神現象学』で述べられている「精神」の成長過程を、講師の斎藤幸平氏のテキストを参考にして素描した。そして、「精神」の最終的な到達点である<良心>の和解(相互承認…
四国地方はすでに梅雨入りし、カレンダーも6月のページになってしまったが、今日は先月放映されたEテレの「100de名著」の話題を取り上げよう。5月に取り上げられた名著は、「近代哲学の完成者」とも称されるゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘー…
随分前になるが、『読書会入門―人が本で交わる場所―』(山本多津也著)を読み、著者が「読書会に慣れ親しむことで、同じでなくてはならない、同じ言葉しか使えないといった強烈な同調圧力も軽減されるのではないか」という理由で読書会を学校の授業に取り入…
書店で『医療ケアを問いなおす―患者をトータルにみることの現象学―』(榊原哲也著)という書名を見た時、私はサブタイトルの「トータルにみる」と「現象学」という言葉に強く惹かれた。その理由の一つは、私が現職中に子どもの問題行動を理解する視座として…
先日、久し振りにジュンク堂書店三越店へ行き平台に置かれている本たちを何気なく見ていると、帯の「自由は、目的を超える。『暇と退屈の倫理学』がより深化。東京大学での講話を収録!」という言葉が目に飛び込んできて、止むに止まれぬような気分になり『…
今年のゴールデンウィークを9連休にするために、5月1日(月)と2日(火)に年次有給休暇を取った。ただし、4月29日(土)~30日(日)に二女が趣味でやっているフラダンスの発表会に出演するために、孫Mと共にやって来て一泊して帰ったので、ゆっ…
4月中の勤務内容はまだほとんどが「研修」なので、今まで気になっていたことについて考えを深めてみようと思い、最近購入した『発達障害「グレーゾーン」―その正しい理解と克服法―』(岡田尊司著)を読み進めた。本書は、発達障害の徴候はあるが診断は下り…
4月12日(水)の午後11時47分、義母が急性心臓病で亡くなった。享年94歳。 その週の日曜日に、私たち夫婦は義母とお弁当やおはぎを一緒に食べようと実家を訪れたが、義母は食欲がなく、おはぎをほんの少し食べただけでお弁当は口にしなかった。次の…
3月末~4月上旬に掛けて、長女たちは新しく購入したマンションへ引っ越しをした。私たち夫婦は、土日はもとより平日の夕方などを活用してその手伝いをしていたので、何かと慌ただしい私生活を送っていた。また、公的にも年度末の人事異動による転任者を送…
3月も中旬を過ぎると、ほとんど各学校からの教育相談業務はなくなり、私たち特別支援教育指導員の仕事は開店休業状態になる。こんな時は、自分の課題意識に即した特別支援教育関連の本を読んで研修をしようと、私は少し気合を入れて読む必要があると思って…
前回の記事で、2020年度から小学校で全面実施となった新学習指導要領で謳われている「主体的・対話的で深い学び」(「アクティブラーニング」のこと)を、私は無意識に「エセ演繹型思考」によって受容していたことを反省し、意識的に「帰納型思考」を駆…
全国の小学校は2020年度から新学習指導要領を全面実施する予定だったが、政府が3月から5月まで新型コロナウイルスによる感染症対策の一つとして各学校の全国一斉休校措置を取ったために、思わぬ事態に陥り全面実施どころではなくなってしまった。特に…
先月10日(金)の「愛媛の探究をつくる会」が終わった後、附属小学校の道徳科を研究している先生と「道徳科教育の在り方」について少し意見を交わすことができた。主に道徳科と他教科等との合科的・関連的な指導を構想するカリキュラム・マネージメントの…
前回の記事で、2月3日(金)に開催された第101回愛媛教育研究大会において、体育科の公開授業を参観したり研究協議会へ参加したりした内容の概要と簡単な所感を綴った。実は、その大会当日にわずか10分間ほどだったが、私は1年生の「ぎんなん学習」(生…
2月3日(金)に開催された第101回愛媛教育研究大会(幼稚園・小学校の部)へ参加させてもらった。新型コロナウイルスの感染拡大のために、この2年間はオンラインでの開催だったので、対面での開催は3年振りである。私は午前中2つの体育科の公開授業…
今年も早や2月を迎え、本年度は後2か月ほどで終わる。本年度の勤務状況について振り返るにはまだ早いかもしれないが、特別支援教育指導員として昨年度とは少し内容が異なる教育相談を担当することがあったので、今回はそのことについて綴ってみようと思う…
今の職場の隣に、半年間勤務して約2年前に退職した職場である当市の男女共同参画推進センターがあり、その2階に図書コーナーが設置されている。主には男女共同参画推進に関する本を所蔵しているが、小説やエッセー、子育て本等も少しは並んでいるので、勤…
以前に、『「恨み」という感情をコントロールするには?…』(2020.4.12付)という記事の中で、「正しい恨みの晴らし方」の一つに「シャーデンフロイデ」(他人の失敗や不幸を嬉しいと思う感情を表わすドイツ語)を活用する方法があると綴った。その…
今月8日(日)、松本潤主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」の初回放送を視聴した。今までの徳川家康像とはかなり異なるイメージだったからか、ちょっと拍子抜けした感じだった。また、テーマ曲も題字も、豊かな感性に乏しい私には少し違和感があった。…
2023年元日。昼前に長女たち家族3人、昼過ぎに二女たち家族3人が、我が家へ年賀の挨拶に来てくれた。皆で華やかなお節料理を囲みながら、成長著しい孫たちの話を酒の肴にして愉快な時間を過ごした。食後は、娘たち夫婦と孫Hは任天堂スイッチ・スポー…
今年のクリスマスの日、日本近代史家で評論家の渡辺京二氏が熊本市の自宅で老衰のために92歳で亡くなったことが報じられた。渡辺氏のことについては、幕末・明治期に訪日した外国人たちの滞在記を題材として、江戸時代を明治維新によって滅亡した一つのユ…