ようこそ!「もしもし雑学通信社」へ

「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

「考える」って、どうすることなの?どのようにすればできるの?~安野光雅著『かんがえる子ども』と野矢茂樹編著『子どもの難問~哲学者の先生、教えてください!』を読んで~

今の職場の隣に、半年間勤務して約2年前に退職した職場である当市の男女共同参画推進センターがあり、その2階に図書コーナーが設置されている。主には男女共同参画推進に関する本を所蔵しているが、小説やエッセー、子育て本等も少しは並んでいるので、勤…

久し振りに「シャーデンフロイデ」を投影する池井戸作品の痛快さを味わった!~池井戸潤著『半沢直樹~アルルカンと道化師』を読んで~

以前に、『「恨み」という感情をコントロールするには?…』(2020.4.12付)という記事の中で、「正しい恨みの晴らし方」の一つに「シャーデンフロイデ」(他人の失敗や不幸を嬉しいと思う感情を表わすドイツ語)を活用する方法があると綴った。その…

上質の歴史小説は面白いなあ!~葉室麟著『実朝の首』を読んで~

今月8日(日)、松本潤主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」の初回放送を視聴した。今までの徳川家康像とはかなり異なるイメージだったからか、ちょっと拍子抜けした感じだった。また、テーマ曲も題字も、豊かな感性に乏しい私には少し違和感があった。…

読解の秘訣としての「解釈学的循環」という概念について~山口尚著『難しい本を読むためには』から学ぶ~

2023年元日。昼前に長女たち家族3人、昼過ぎに二女たち家族3人が、我が家へ年賀の挨拶に来てくれた。皆で華やかなお節料理を囲みながら、成長著しい孫たちの話を酒の肴にして愉快な時間を過ごした。食後は、娘たち夫婦と孫Hは任天堂スイッチ・スポー…

気骨ある“精神の革命児”逝く!~渡辺京二著『さらば、政治よ 旅の仲間へ』読んで~

今年のクリスマスの日、日本近代史家で評論家の渡辺京二氏が熊本市の自宅で老衰のために92歳で亡くなったことが報じられた。渡辺氏のことについては、幕末・明治期に訪日した外国人たちの滞在記を題材として、江戸時代を明治維新によって滅亡した一つのユ…

二人の孫の成長を実感したクリスマス会~孫たちの現況報告を兼ねて~

世間でいう「クリスマス」は今日だが、我が家の「クリスマス会」は先週の土曜日にもう済ませた。久し振りに長女と二女がそれぞれの長男(私たち夫婦にとっては孫たち)を伴って来訪してくれたので、家族そろって妻の誕生日(12月29日)の前祝いを兼ねて…

何でも「歳をとる=老化」のせいにしてはならない!~平松類著『老化って言うな!』から学ぶ~

「歳をとると、眼も老化するからしかたないね。」 「白内障の手術をすることにしたよ。」と妻が告げた後の私が言った言葉。 「歳をとると、首を痛めることがよくあるよ。」 「原因は分からないけど、首の左側が痛いのよ。」と妻がつぶやいた後の私が言った言…

「最後の活動期」と言われる70代をどう過ごすか?~和田秀樹著『70歳が老化の分かれ道―若さを持続する人、一気に衰える人の違い―』から学ぶ~

前回は、久し振りに「健康・スポーツ」のカテゴリーの記事を投稿した。ここ数年は自分の第2の人生をどう過ごしたらいいか、新たに始めた特別支援教育指導員の仕事をどうしていけばいいか、また二人の孫とどう関わったらいいかなどについて考えることが多く…

「心療整形外科」で腰痛を治す!~谷川浩隆著『腰痛は歩いて治す―からだを動かしたくなる整形外科―』から学ぶ~

先日、5回目の新型コロナウイルスのオミクロン株対応2価ワクチンを接種した。幸い副反応はほとんど出なかったので、いつも通り食後のウォーキングを妻と共にした。そもそも私がウォーキングを始めたきっかけは、55歳の時に受けた人間ドックの結果、中性…

「がんばればできる」という不自由!~浜田寿美男著『心はなぜ不自由なのか』から学ぶ~

「やればできる!」 最近、テレビによく出演しているお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸が連発するキャッチフレーズである。このフレーズのルーツは、高岸の母校・済美高校の校歌の中にある、『やればできるは魔法の合言葉』という歌詞である。元高校球児の…

「無意識データ民主主義」という構想に未来を託したい!~成田悠輔著『22世紀の民主主義―選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる―』から学ぶ~

私がたまに観る報道や討論等のテレビ番組で最近よく目にする、メガネのフレームの左右が丸と四角になっている男性コメンテーターがいる。肩書はアメリカのイエール大学助教授。聞くところによると、日本では半熟仮想株式会社の代表をしているらしい。また、…

「限界哲学」という考え方って、面白い!~上原隆著『こころが折れそうになったとき』から学ぶ~

もう一週間が経ってしまったが、10月19日(水)は私の68回目の誕生日だった。先々週の日曜日には、娘二人と孫二人が自宅を訪れてくれて、バースデーケーキを一緒に食べて前祝いをしてくれた。また、当日の夜は妻と二人で、女性に人気がある近くの居酒…

生活保護の受給申請を扱う窓口対応のあり方について~中山七里著『護られなかった者たちへ』を読んで~

円安が止まらず、物価も高騰している。公的年金も減額されて、年金生活者の暮らしは楽ではない。幸い自宅の住宅ローンは退職金の一部を充てて完済したので、住居費はいらないから私たち夫婦は気が楽である。また、私たちは重症化している持病らしきものがな…

学校を「共生社会」にするために大人ができることとは?~本田秀夫著『学校の中の発達障害―「多数派」「標準」「友達」に合わせられない子どもたち―』から学ぶ~

秋らしい日が続くようになったので、私は久し振りに昼休みを利用して、職場近くのデパートに入っている紀伊国屋書店へ行ってみた。特別にはっきりした目的があったわけではない。最近、書店へ行く暇もなかったので、どのような新刊書が並んでいるのか知りた…

やっぱり紙の本の方がいいなあ!~塩田武士著『騙し絵の牙』を読んで~

日々の雑用に追われ、ブログを更新することができない日々を送っていたら、もう10月になっていた。また、朝晩が涼しくなったなあと思っていたら、秋祭りの時期を迎えて急に日中の気温が20℃ぐらいになり、足早に秋本番を迎えた。“秋”と言えば、「食欲の秋…

約20年前の「村上龍」の学校教育に対する問題意識とは?~村上龍著『希望の国のエクソダス』を再読して~

前回の記事で、村上龍著『オールド・テロリスト』を取り上げて、私の「村上龍」作品の読書体験の概要を述べた。その際に、私の興味内容の転換点に位置付けたのが、教育問題に対する彼の課題意識の高さを表した『希望の国のエクソダス』という作品であったこ…

現代社会におけるマスコミの自己欺瞞について~村上龍著『オールド・テロリスト』を読んで~

隣の市で「本」をキーワードにした活動を展開している団体が、毎月第1土曜日か日曜日に同市のJR駅近くの手作り交流市場で「古本交換会」(1冊につき1冊交換)を開催している。私は、今年になって気が向いた月には、不要になった文庫本を数冊車に乗せて…

子どもは小さな科学者!~現代教養講座(放送県民大学)で学んだこと~

9月4日(日)の午前中、私は本県の生涯学習センターが主催するコミュティ・カレッジを初めて受講した。なぜ受講してみようと思ったかというと、本講座のテーマが「小さな科学者としての子ども―幼児教育の再発見―」だったからである。特にサブテーマに即し…

人生は、他者だ!~西川美和著『永い言い訳』を読んで~

10日間の自宅療養期間が終わって、23日(火)に久し振りに出勤したら、その翌日から当市の教育支援委員会が2日間予定されていた。今回の教育支援委員会は、来年度小学校へ就学する幼児で何らかの「困り感」がある子にとって、どのような学びの場が適切…

「子どもを苦しめる親」について考える~水島広子著『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』から学んだことを基に~

私の自宅療養期間も今日で終わる。「濃厚接触者」だった妻が倦怠感や発熱等の症状が出始めたのは15日(月)で、お盆休みの中やっと見つけた病院で抗原検査を受けて陽性の判定が出たのは16日(火)。それから既に1週間が経った。今では二人とも平熱にな…

自由意思の尊重より、運命論の方が慰めになる!?~平野啓一郎著『マチネの終わりに』を読んで~

8月13日(土)に新型コロナウイルスの陽性判定を受けた。前日の夕方から発熱し夜には38.2度まで上がってしまったため、24時間対応の受信相談センターへ架電した。その際に紹介された市内のある耳鼻咽喉科での抗原検査の結果である。覚悟はしていた…

多忙生活の中、学校生活支援員研修会で講話をしました!~小崎恭弘著『発達が気になる&グレーゾーンの子どもを伸ばす 声かけノート』から学んだことを基にして~

お泊まりをしていた孫Hと遊んだり世話をしたりすることに追われた7月末の土日が過ぎ、ちょっと一息入れたいと思っていた8月に入っても、私の多忙生活は続いていた。第1週目には、市内の4つの児童発達支援センターへ通っている重い障害のある年長児に関…

多忙な日々を過ごしたこの2週間ほどを振り返る!

先週から今週に掛けて、公私ともに超多忙な日々を私は送っていた。そのため、当ブログの記事を綴ることはもちろん、読書の時間を確保することもままならなかった。ブログの更新を2週間ほどできなかったのは、久し振りではないかと思う。別に決めている訳で…

「本当の自分」の本質とは何なのか?~山竹伸二著『「本当の自分」の現象学』から学ぶ~

衝撃的なニュースだった。「参議院選挙に向けて奈良県で応援演説をしていた安倍元首相が、背後から凶弾を受けて倒れ、その後運ばれた病院で死亡した!」…「ロシアがウクライナへ軍事侵攻した!」という報道が流れた時と変わらない、否、それ以上の衝撃を私は…

「分人」って、何のこと?~平野啓一郎著『わたしとは何か―「個人」から「分人」へ―』から学ぶ~

例年よりもかなり早く6月末には梅雨が明け、厳しい暑さが連日続く中で7月に入った。私が当市の教育委員会で特別支援教育・指導員として働き始めて、丸1年が過ぎた。現在、午前中は、派遣相談申請のあった学校へ出向き、何らかの「困り感」のある子どもの…

日本には「愛」が存在しなかった?!~長谷川櫂著『俳句と人間』から学ぶ~

私は、「プレバト!」というテレビ番組をよく観る。特に、梅沢富美男氏や東国原英夫氏などの芸能人がお題に沿って創作した俳句を、講師役の夏井いつき氏が「才能あり」「凡人」「才能なし」とランク付けし辛口で批評する俳句査定のコーナーが好きである。俳…

「食べる」ことについてちょっと考えた~吉村萬壱著『生きていくうえで、かけがえのないこと』を読んで~

『生きていくうえで、かけがえのないこと』という本を当ブログの以前の記事(2021.8.19付)で取り上げたことがある。ただし、その時の著者は批評家の「若松英輔」氏であったが、今回は芥川賞作家の「吉村萬壱」氏である。なぜ二人が同じタイトルの…

「未来への責任」を問う倫理学の全体像について~戸谷洋志著『ハンス・ヨナスの哲学』から学ぶ④~

なかなか筆が進まない。つくづく自分の理解力と文章力の乏しさを痛感する。しかし、老年を迎えて認知機能の衰えを少しでも遅らせようと始めたブログ記事の執筆。自分の課題意識に即して読んだ(インプットした)本を取り上げ、その内容概要や読後所感等を綴…

存在と当為を結びつける「責任」という概念について~戸谷洋志著『ハンス・ヨナスの哲学』から学ぶ③~

いよいよ今回から2回続けて、『ハンス・ヨナスの哲学』(戸谷洋志著)を再読しながら、彼が独自に構築した倫理学の全体像の概要をまとめてみようと思う。ヨナスは、前回までの記事にまとめた「哲学的生命論」と「哲学的人間学」を理論的基盤にして、「未来…

「未来への責任」を問う倫理学のもう一つの理論的基盤「哲学的人間学」について~戸谷洋志著『ハンス・ヨナスの哲学』から学ぶ②~

前回に続いて、「ハンス・ヨナス」が構築した「未来への責任」を問う倫理学の理論的基盤について綴ってみたい。前回はその一つ「哲学的生命論」の内容の概要をまとめてみたが、今回はもう一つの「哲学的人間学」の内容について、『ハンス・ヨナスの哲学』(…