2019-01-01から1年間の記事一覧
いよいよ年の瀬も押し迫り世間が何かと慌ただしくなっているというのに、私は「哲学対話」=「哲学カフェ」の具体的な実践に向けての意欲が次第に高まってきて、何か参考になりそうな本はないかとついつい近くの書店に足が向いてしまう。そのような中、我が家…
前回の記事で、「哲学対話」の特徴や対話のルールについてまとめるとともに、これから本県の教職員を対象にした「哲学対話」を開催したいという私の考えと、その具体化のための準備を始めたいという思いを綴った。その後、私は「哲学対話」の具体的なイメー…
退院する時に読み掛けていて、最近やっと読了した本がある。それは、『考えるとはどういうことか―0歳から100歳までの哲学入門―』(梶谷真司著)という本である。本題よりも副題の方に興味をそそられて購入したまま積読状態になっていたので、今回の入院…
先月28日(木)、私は「虚血性大腸炎」という病気のために緊急入院することになり、今月5日(木)までの8日間、入院生活を余儀なくされた。ここ4回ほどの記事は、この入院生活中にベッドの上で読了した本を取り上げた文章を投稿した。実は退院する際に…
入院中のベッドの上で読んだ4冊目の本は、『友だち幻想―人と人の〈つながり〉を考える―』(菅野仁著)であった。ただし、本書を購入したのはもう10年以上も前であり、今回は再読である。なぜもう一度読もうと思ったかというと、現在も子どもたちの中で起…
当ブログの中では比較的短いタイトルであるし、前期高齢者としてはあまりに青臭いと思うが、実は今回の入院生活において私が一番感銘を受けたのが『愛』(苫野一徳著)という哲学書であったので、敢えてこのタイトルにした。想い起せば、私自身が若い頃に大…
入院中に読了した2冊目の本は、2016年に『つまをめとらば』で直木賞を受賞した青山文平氏の『半席』という時代小説である。本書は一篇が40ページ前後の六作からなる連作短編集で、成長小説とミステリーが見事に融合した珠玉の武家小説なのである。舞…
昨年12月から当ブログを運営してきて以来、この1年間で記事の投稿間隔が2週間ほども空いたのは今回が初めてである。その理由は私の怠慢という訳ではなく、その間に思わぬ入院生活を余儀なくされたからである。 …先月27日(水)の夕食後しばらくして、…
大学入学共通テストにおける「英語の民間試験導入」について、萩生田文部科学大臣の「身の丈」発言で紛糾した後の11月1日、文科省は来年4月からの実施を見送る方針を固めた。また、その問題と並行して、以前から問題構成や採点方法等のあり方について課…
前回の記事で、高齢になるとむせたり痰が出たりすることが増え、そのことが原因で「誤嚥性肺炎」を患って死亡する場合もあるので、普段から「むせない力」を鍛えておくことが大切になると述べた。そして、そのために必要とされる舌や呼吸筋を鍛えるトレーニ…
前回の記事で取り上げた『老人の美学』(筒井康隆著)と同様に、自宅近くの書店で何気に書名に興味をもって手に取った本がある。『老人の取扱説明書』(平松類著)である。最初、書名を見た時は、何だか高齢者に失礼な題名だなと思った。しかし、ペラペラと…
俗に「高齢者」と呼ばれるような年齢になったからか、私は書店や図書館に立ち寄ると「老人」とか「老年」とか「高齢者」とかという言葉が付いた書名につい目が向いてしまう。今回取り上げる『老人の美学』(筒井康隆著)もそのような中の一冊である。他の書…
「生涯学習」という言葉は、もう当たり前のように世間に通用している。また、巷のカルチャーセンターでは文化・芸術・スポーツなどの各種教室が開催され、多くの受講者が「生涯学習」の実践者として日々「お勉強」や「お稽古」に励んでいる。かく言う私も、…
私は自分のことを「読書家」だと自認している。ただし、子どもの頃はあまり読書をした記憶はない。読書の面白さに目覚めたのは、大学時代である。受講する講義内容に関連した社会科学的な研究書を読むことをきっかけにして、人文科学的な本にも興味をもつよ…
11月2日(土)、日本で開催された第9回ラクビーワールドカップの決勝戦が、横浜国際総合競技場を会場にして行われた。結果は、南アフリカ共和国が32対12でイングランドを撃破して3度目の優勝を飾った。この約1か月半の間、多くの日本人がラクビー…
もう1か月以上も前だったか、地元新聞紙上に「自宅で特別なコーヒー」という記事が掲載された。それを読んでみて、最近のコーヒー事情が少し分かった。全日本コーヒー協会によると、2016年の国内消費量は前年比2.3%増の47万2535トン(生豆換…
今回の記事は前々回の続編となるものであり、10月のNHK・Eテレ「100分de名著」の第3回目(10/21)に放送された番組とそのテキストの中で、講師の評論家で東京工業大学教授の若松英輔氏が解説した内容から、本書の中核的問題である「実在」と「純粋…
前回の記事で、10月のEテレ「100分de名著」で取り上げている西田幾多郎著『善の研究』の解説内容から学んだことを綴った。そして、今回はその続編を投稿するつもりであったが、西田幾多郎氏の孫になる、元都留文科大学学長で「社会科の初志をつらぬく…
10月のEテレ「100分de名著」は、西田幾多郎著『善の研究』を取り上げている。私は早速テキストを購入して、今まで2回分の放送は録画したものを視聴した後で解説を読んで復習した。残りの2回分も何が何でも視聴して学習しようと思っている。 というの…
特に東海・関東甲信・東北地方等に大きな傷跡を残した台風19号が、本日未明には三陸沖へ去って行った。まだ被害の全容ははっきりしていないが、東日本や北日本の各地に甚大な被害を与えたものと推察される。この災害によって亡くなった方には衷心より哀悼…
表題の中にある「老後」という言葉はあまり好きではないが、もうすぐ満65歳になるのだから甘んじて使うことにして、私たち夫婦の「老後」生活の現状と近未来をまず素描してみる。 私たち夫婦は娘を二人授かったが、その娘たちは既に結婚しそれぞれ独立して…
和光大学名誉教授で評論家・エッセイストの岸田秀氏が「わたしにとって、これが人生最後の本になるであろう」と帯に記していたので、私は躊躇せず『唯幻論始末記―わたしはなぜ唯幻論を唱えたのか―』を購入した。今から約38年前に岸田氏の著書『ものぐさ精…
10月に入った。もうすぐ私は65歳の誕生日を迎える。いよいよ一般的に言われるところの「高齢者」の仲間入りだ。もちろん私自身は「高齢者」だとは到底思っていない。ただし、身体的には老化現象が様々な部位に現われてきている。全身的な筋力や両眼の視…
先日、市立中央図書館から借りた本は二冊ある。一冊は、前回の記事で紹介した『健康の味』(南伸坊著)。もう一冊は、今回取り上げる『「いつ死んでもいい」老い方』(外山滋比古著)である。外山氏は英文学専攻の文学博士であり、名の知れた評論家・エッセ…
前回、当ブログ記事の「カテゴリーのバランス」や「文体や論調のあり方」について反省的な文章を綴った。そのこともあって、先日、久し振りに市立の中央図書館に立ち寄り、「健康・スポーツ」のカテゴリーに入りそうで、しかも「肩に力の入っていない柔らか…
昨年の12月2日に当ブログを開設してから約10か月経ち、投稿数が前回の記事を入れると123、そしてPV数がやっと5,000回を突破した。長ったらしいテーマ名の割には内容が分かりにくい文章を綴った拙い記事を、今まで閲覧してくださった読者の皆…
今回の内閣改造の目玉の一つは、小泉進次郎衆議院議員の環境大臣への登用である。このことについてのNHKのニュースの中で、「小泉議員の環境大臣への登用に関しては、自民党内からも妬みや批判の声が出ています。」というような解説がなされていた。私は…
ここ最近の記事において、私は「教養」という言葉にこだわってきた。そして、前回は「教養」という言葉が日本でいつからどのような意味で使われ始めたかについて、『これが「教養」だ』(清水真木著)から学んだことをまとめてみた。その際、私の頭の中では…
猛烈な台風15号が関東地方を直撃している様子をテレビで観ながら、今、この記事を書いている。9月から月曜日の勤務が遅出になったので、午前中に私的な時間が取れるようになったからである。でも、前回の記事でお約束したこと、つまり「公共圏と私生活圏を…
前回の記事で「語彙=教養」ととらえる立場から、語彙力を高めるインプットとアウトプットの技法について箇条書きでまとめた。その際、私は「教養」という言葉の意味を、「個人の人格や学習に結び付いた知識や行いのこと」と一般的・辞書的にとらえていた。と…