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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

語彙力を高めるインプットとアウトプットの技法について~斎藤孝著『語彙力こそ教養である』から学ぶ~

先日、今の職場の仲間と雑談をしている時、珍しく哲学に関する話題になった。その中で現象学の方法について私が講釈している際、現象学の始祖である「フッサール」の名前がなかなか出てこずに口ごもってしまった。普段からフッサール現象学について少しは勉…

健康診断と職場の健康管理との関連について考える~亀田高志著『健康診断という「病」』を参考にして~

今月26日(月)に、65歳を迎える節目の人間ドックを受診した。場所は、本県の総合保健協会という公益財団法人の建物である。3年前にも受診した場所なので、当日の朝は8時に自宅を愛車でスタートしてから10分間ほどで迷うことなく会場へ着くことがで…

文章を要約するコツについて~野矢茂樹著『大人のための国語ゼミ』から学ぶ~

地元の私立大学看護学科の学生に対する特別講義「役に立つ読解力を身に付けよう」の後半の授業に備えて、私は今『大人のための国語ゼミ』(野矢茂樹著)という本を読んでいる。著者は現在、東京大学大学院総合文化研究科教授で哲学を専攻している方である。…

「哲学とは何か」「何のための哲学か」という根元的な問いに答える!…~NHK別冊100分de名著・西研特別授業『ソクラテスの弁明』を読んで~

私の書棚にはプラトン著『ソクラテスの弁明』が2冊並んでいる。角川文庫と岩波文庫のそれである。角川文庫の方は、私が以前に買ったもので白い表紙が目立っている。岩波文庫の方は、もう30年ほど前に私が地元国立大学教育学部附属小学校に勤務していた頃…

公教育の本質に基づいた「よい」教師の資質とは…~苫野一徳著『どのような教育が「よい」教育なのか』から学ぶ③~

現職中はもちろん現職を退いてからも、私は子どもたちにとっての望ましい教師の在り方について、常に考えてきた。したがって、本書を読んだ際にも、著者の苫野氏が「よい」教師の資質について論述している内容に特に注目して読んでみた。 そこで今回は、著者…

公教育で育成すべき〈教養=力能〉とは…~苫野一徳著『どのような教育が「よい」教育なのか』から学ぶ②~

著者の苫野氏は、公教育の本質を「各人の〈自由〉および社会における〈自由の相互承認〉の〈教養=力能〉を通した実質化」と端的に定式化している。そして、本書の中で各人の〈自由〉も社会の〈自由の相互承認〉も、各人の一定の〈教養=力能〉がなければ、…

「よい」教育を求めるための適切な方法とは…~苫野一徳著『どのような教育が「よい」教育なのか』から学ぶ①~

前回まで連続3回分の記事内容は、私が15年前に教育臨床学的な視点から執筆した教育実践論文「思春期の子どもにかかわる〈他者〉としての教師のあり方を探る~中学校現場における学習指導や生徒指導のあり方に関する考察を通して~」であった。私自身が今…

思春期の子どもにかかわる〈他者〉としての教師のあり方を探る~中学校現場における学習指導や生徒指導のあり方に関する考察を通して~③

(前回から続く) 4 思春期の子どもにかかわる<他者>としての教師のあり方 筆者は,従来から<人間形成型>の学習指導のあり方を追究するとともに,<温情派>教師の立場に重心を置きながら生徒指導のあり方を具体的に実践してきた。しかし,本年度,前述…

思春期の子どもにかかわる〈他者〉としての教師のあり方を探る~中学校現場における学習指導や生徒指導のあり方に関する考察を通して~②

(前回から続く) 2 思春期の子どもにとっての中学校 K中学校の生徒たちは,休憩時になると友達同士で戯れ,時にはお互いの身体を乱暴に扱うことを楽しんでいる。特に男子生徒にこの傾向が強い。女子生徒はどちらかと言えば,友達関係に鋭敏で常に仲間づく…

思春期の子どもにかかわる〈他者〉としての教師のあり方を探る~中学校現場における学習指導や生徒指導のあり方に関する考察を通して~①

前回の記事で、東京都内の荒れた公立中学校に勤務したことがある鹿嶋真弓氏の教育実践の一部を紹介しながら、「教職のもつ魅力や醍醐味」について綴った。その際、私が管理職として中学校勤務の経験があることに触れた時、今から15年ほど前に教頭として教…

「教職のもつ魅力や醍醐味」とは…~鹿嶋真弓著『教師という生き方』を読んで~

近年、公立学校の教員の「働き方改革」やそれに伴って議論になっている「部活動」指導の在り方の視点から、教職のブラックな面が強調されるようになってきた。また、最近の当ブログの記事内容も同様な視点から綴ったものが多くなっている。しかし、私は教職…

生徒や保護者にとっての「部活動」のブラックな面について考える~中小路徹著『脱ブラック部活』を参考にして~

以前の記事で、「部活動」指導に係わる教員の「働き方改革」の現状及び今後の行方について綴った。その際に、「部活動」が学校の教育課程外の「生徒による自主的、自発的活動」でありながら、「超勤4項目」以外は原則的に時間外勤務が職務上の命令できない…

久し振りに「生活科」学会の実践発表検討会に参加させてもらいました!

「現在の生活科の実践的課題は、“深い学び”と“気付きの質の高まり”がキーコンセプトなのかな。」というのが、会員の先生方の協議を聴いていた私の抱いた感想であった。私が現職中には当検討会に参加し協議する中で、「生活科」はもちろん他教科等における教…

小中学校教員を対象に「教育論文の書き方」の講話と演習を行いました!

今月13日(土)の午前中、市内の小中学校教員42名を対象にして、本市教育研修センターにおいて「教育論文の書き方」の講話と演習を行った。これは、本年度の本市教育創造セミナーの第3回目として、私の大学同期生が行った「教育関係法令等」に関する講…

「部活動」指導に係わる教員の「働き方改革」の現状及び今後の行方とは…~内田良著『ブラック部活動―子どもと先生の苦しみに向き合う―』から学ぶ~

前回の記事は、「給特法」の下での公立学校の教員の「働き方改革」について綴った。その中で、2016年度に実施された文部科学省による「教員勤務実態調査」の結果に触れ、小中学校の1週間における時間外勤務の合計は平均約20時間にもなり、多くの教員…

「給特法」の下での公立学校の教員の「働き方改革」の中身とは…~内田良・苫野一徳著『みらいの教育―学校現場をブラックからワクワクへ変える―』を参考にして~

長時間労働による過労死等を防止し、労働環境を改善するために、今「働き方改革」が推進されている。そのような中、民間の大企業では本年4月から労働基準法に則って罰則付きの時間外労働の上限規則が適用され、私の勤務する公益財団法人の事業団にも同様の…

身近なところにいた「モンスターペアレント」との格闘エピソード(2)~福田ますみ著『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』を読んで回想する~

前回の記事では、私が市内のある中学校に校長として在任していた当時の、身近なところにいた「モンスターペアレント」との格闘エピソードについて回想したことを綴った。そして、最後の一文には「もう二度とあのような経験はしたくないというのが本音である…

身近なところにいた「モンスターペアレント」との格闘エピソード(1)~福田ますみ著『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』を読んで回想する~

先月26日(水)と27日(木)の両日、教職員共済生活協同組合・定期総代会へ出席するため東京に出張した。その際に宿泊したホテル近くのブックオフで『モンスターマザー―長野・丸子実業「いじめ自殺事件」教師たちの闘い―』(福田ますみ著)という文庫本…

ブログも“双方向性”のコミュニケーション機能を活かせないかな…~当ブログ記事投稿数100回を突破しての期待と願望~

昨年12月から当ブログを始めて7か月、前回の記事でやっと投稿数が100回に達した。前半の50回に達したのは約2か月半経った頃だったが、後半の50回ではその約2倍弱の時間を要したことになる。これらの理由は、本年2月11日付けの記事「ここらで…

「がんもどき理論」や「がん放置療法」を提唱する「近藤誠理論」は間違っている?!~勝俣範之著『医療否定本の嘘』を参考にして考える~

本ブログの本年1月26日付けの記事の中で、中村仁一、近藤誠著『どうせ死ぬなら「がん」がいい』の内容の一部を紹介した。その後、著者の一人である近藤氏の著書『がん放置療法のすすめ~患者150人の証言~』を読む機会があった。その中で著者は、全て…

接続詞の使い方って、簡単そうで実は難しいのだ!~石黒圭著『文章は接続詞で決まる』から学ぶ~

本ブログの記事を綴る時にいつも私が願っているのは、「読者にとって役に立つ知識を分かりやすく、しかも印象に残るような文章を書きたい。」ということである。そのためには、まずは雑学的な知識とは言えその内容を正確に理解し、それをできるだけ平易な文…

孫Hの「非認知能力」を育むために…~ボーク重子著『「非認知能力」の育て方』から学ぶ~

先日の「父の日」に、私が自宅近くの書店で新刊書にざっと目を通していたら、長女からLINEで近くの公園で孫Hと遊んでいると知らせてきた。「Hと一緒に遊んでやりたい。」という思いが私の心に溢れてきて、気が付くと自転車に飛び乗っていた。5~6分…

腰痛持ちでもテニスを楽しむことができるよ!~酒井慎太郎著『脊柱管狭窄症は自分で治せる!』で学んだ効果的な簡単ストレッチ~

私は20代後半頃、中学年の学級担任をしながら体育主任をしていて、そのハードな勤務実態が要因となってギックリ腰のような酷い腰痛になり、それ以来心身共に疲労が蓄積してくると腰痛に悩まされてきた。また、校長職の時には修学旅行から帰ってくると、左…

時代小説から人生の境地を学ぶ~藤沢周平著『三屋清左衛門残日録』の中の言葉から~

前々回の記事で、葉室麟著『散り椿』を取り上げて「時代小説を読む愉しさ」について綴ったが、私が50歳を越えてから時代小説を読むようになったきっかけは、思想家・文芸評論家の小浜逸郎氏が書いた藤沢周平作品に対する含蓄のある書評を読んだことによる…

看護師に求められる資質・能力とは…~日野原重明著『これからのナースに実践してほしいこと―日野原重明から医療者へのメッセージ―』から~

地元私立大学の看護科の学生を対象にした特別講義「役に立つ読解力を身に付けよう」を行っているということもあり、先日、市立中央図書館へ立ち寄った際に医療関係者や看護師向けの本を探してみた。次回の講義の際に紹介しようと考えたからである。また、「…

時代小説を読む愉しさ~葉室麟著『散り椿』の魅力について~

最近、朝早く目覚めた時に寝床で読み耽っている本がある。1年半ほど前に鬼籍に入った直木賞作家・葉室麟氏の『散り椿』という時代小説である。本書は、葉室氏が2012年に『蜩ノ記』で第146回直木賞を受賞した後、最新刊として上梓した著作なので今か…

総合型地域スポーツクラブの「登録・認証制度」導入に伴う負の側面を危惧する!~本県総合型地域スポーツクラブ連絡協議会・評議員会での議論内容から~

今月2日(日)の午後、県生涯学習センター・第4・5研修室を会場にして、本県の「総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)連絡協議会・評議員会」を開催した。議事の第1号議案から第5号議案までは概ねスムーズに進行したが、その他の中の「連絡…

「100分de名著」における『平家物語』から組織論の真髄を学ぶ!~能楽師・宮田登氏の解説内容を基に~

気が付けば、もう6月。あっという間に5月の1か月が過ぎ去った。ゴールデンウィーク後は、県や市の教育関係団体の定期総会への参加、中堅教員を対象とした研修講話、看護科の学生を対象とした特別講義、各種祝賀会への参加、市内の総合型地域スポーツクラ…

本市における総合型地域スポーツクラブに係わる新たな動向について

今月27日(月)の夕方、私と係長の二人で当市スポーツ協会を訪問した。目的は、本市内の総合型地域スポーツクラブ(以下、総合型クラブ)への補助金制度導入の要請と、それに関連して我が国における総合型クラブの設立理由や経緯等についての説明、総合型ク…

定年退職後、あなたはどのような生き方をしますか?

先週末、連チャンで祝賀会的な飲み会があり、久し振りに懐かしい方々と親しく会話することができて本当に愉快な一時を過ごすことができた。 一つは、私が校長として在任した市内のある中学校で一緒に勤務した二人の先生が、市立中学校長を最後にして昨年度末…