ようこそ!「もしもし雑学通信社」へ

「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

どうする?学校再開と教育改革の狭間でジレンマを抱える教師たち~石川一郎著『2020年からの教師問題』を手掛かりに~

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、2月下旬に安倍総理が「全国の小・中学校、高等学校、特別支援学校の一斉休校措置」を要請したことにより、各都道府県はその実情に合わせて各学校を3月上旬から休校することにした。それ以来、年度を跨いで…

風変わりな家裁調査官を描いた小説の妙味とは…~伊坂幸太郎著『チルドレン』を読んで~

気になっていた。とても気になっていたけど、そのままにしてしまった。…それは、当ブログの記事に対して、初めてコメントをくれた方への応答的な記事を書きそびれたまま3か月以上も経ってしまったこと。本年2月17日付けの記事「エッセイが苦手な小説家の…

検察庁法改正案の今国会成立見送りという事態を目の当たりにして、改めて「検察の理念」を守りたい!!~柚月裕子著『検事の死命』を手掛かりに~

最近、私は「柚月裕子」にハマりつつある。その名前を初めて知ったのは、活字ではなく映像の方であった。昨年の9月にNHK・BSプレミアムで『盤上の向日葵』という本格ヒューマンミステリー・ドラマを視聴した。ここ数年来、最年少天才棋士・藤井颯太7…

家庭裁判所調査官の仕事の魅力とは?~柚月裕子著『あしたの君へ』を読んで~

10日ほど前の記事の中で、私が小学生の頃に母子家庭になったことについて少し綴ったが、それに関連して他にも思い出す場面があった。それは、両親の離婚調停が行われていた頃だと思うが、私が母親に家庭裁判所へ連れて行かれた時のことである。家庭裁判所…

感染症ウイルスによる究極の生物兵器の発想は衝撃的だった!~松本清張著『赤い氷河期』を読んで~

今年のゴールデンウィークは、東京都だけでなく日本中が「ステイホーム」週間になった。その理由は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発出された「緊急事態宣言」に基づいて国や各自治体から不要不急の外出自粛の要請があり、ほとんどの日本国民が…

私が若い頃に大きな影響を受けた「ユング心理学」について~河合隼雄著『こころの読書教室』を読んで~

先日読んだ『スキャンダル』(遠藤周作著)の解説的役割を担っていたのは、今は亡き河合隼雄氏の「たましいへの通路としてのスキャンダル」という文章であった。これは、単なる解説とは異なり、本作品に対する河合氏の自己体験を基にした独自な論を展開した…

子どもたちの豊かな道徳性を培う読み物資料について考える~遠藤周作著『スキャンダル』を読んで②~

前回の記事において、私なりの「スロー・リーディング」の実践をした『スキャンダル』(遠藤周作著)の中で、私が小学生時代のある思い出を想起させた場面があった。それは、本作品の中で重要な役割を果たす登場人物のマダム・エヌこと、成瀬夫人が医療ボラ…

人間存在にとっての「魂」と「悪」について考える~遠藤周作著『スキャンダル』を読んで①~

前回の記事の中で予告したように、私は自分なりの「スロー・リーディング」の実践として、「純文学」のジャンルに入る『スキャンダル』(遠藤周作著)という作品を、ゴールデン・ウィーク中に暇を見つけては読んでみた。本書を選んだきっかけは、今から数週…

「読書」を楽しむ「純文学」の読み方について~平野啓一郎著『本の読み方―スロー・リーディングの実践―』から学ぶ~

前回の記事で、又吉直樹氏の「文芸評論」的な文章を参考にして、私は「純文学」の今までの読み方を見直す必要があると綴った。そして、その見直しの内容は登場人物の心情や場面ごとの情景等をじっくりと味わいながら深く読むことをイメージしていた。しかし…