2020-01-01から1年間の記事一覧
前回の記事では、本書の二つの主題の一つ、「認識の謎」の解明と「普遍認識」の可能性について私なりに理解した内容の一端を紹介しながら、読後所感を簡潔にまとめてみた。その中で、「認識問題」を解くことで「普遍認識」に至る際に区別しておかねばならな…
6月23日付で当ブログに「カント哲学の功績とフッサールの現象学との関係について~「100分de名著」における『純粋理性批判』のテキストから学ぶ~」という記事をアップした数日後、近所の大型書店に立ち寄った時のことである。NHKブックスの白い背…
私たち夫婦は決して猫嫌いではないが、夜中に鳴く親猫や子猫の赤ん坊のような声のために不眠症気味になるので、我が家の裏の狭い敷地やブロック塀の上には猫除けグッツを敷き詰めている。先日、そのグッツを点検していたら、裏のブロック塀の向こう側に幾つ…
前回、孫Hの発語や活動等の内容を綴った記事をアップしたのは、Hが満3歳の誕生日(本年2月11日)を迎えて間もなくの頃だった。あの頃、Hの発語内容はまだ簡単な〈主語+述語〉の文で話したり、自分の名前や年齢を何とか間違えずに言えたりする程度で…
一昨年の12月2日から当ブログを始めて約1年7か月、今回の記事で投稿数が200回に達した。「200回!」である。我ながらよく頑張ってきたなあと思う。しかし、前半の100回を達するのに約7か月間を要したのに比べると、それからの100回に約1…
5月下旬頃に6月のEテレ「100分de名著」で取り上げるのが『純粋理性批判』(イマヌエル・カント著)だと知った時、私はやや尻込みをした。その理由は、何といっても『純粋理性批判』は超難解な哲学書であると聞いていたし、そもそもカントという哲学者…
台湾新幹線プロジェクトの軌跡を縦糸に、日本人と台湾人の温かな心の絆を描いた吉田修一氏の傑作小説を、NHKと台湾の公共放送局・PTSが共同制作してドラマ化した。そのドラマ『路(ルウ)―台湾エクスプレス―』が、5月16日(土)を皮切りに3週連続…
ここ最近の記事は、「尊敬されない教師」や「信頼されない教師」等に関する内容を取り上げることが多かった。そして、それらの実態にはやむを得ない歴史的・社会的・経済的な背景があるとともに、学校や教育委員会の旧態然とした体質にも要因があることを綴…
ここ数回の記事において、教師が尊敬されなくなった歴史的な経緯や公教育を担う教師の在り方、さらに教師を尊敬することが子ども自身の「学びの主体性」を保障する考え方になることなどを綴ってきた。しかし、教師たちの中には「尊敬」どころかその基本であ…
前回の記事で、私は日本において教師が尊敬されなくなった歴史的経緯について触れたが、これは学校における「教師と子ども」という教育関係を対象としていた。ところが、社会や世間にはこれとは位相の異なる、例えば武道や茶道等の様々な「道」における「師…
「いつから教師は尊敬されなくなったのか?」という問いは、以前は尊敬されていたが今は尊敬されなくなったという歴史的経緯を考察することになる。確かに私自身の経験でも、昔は教師に対して保護者や子供たちは尊敬の念を抱いていたと言える。少なくとも、…
私は「安野光雅」の絵が好きである。いつ頃から好きになったのかは定かではないが、娘たちが幼い頃に買ってあげた『天動説の絵本―てんがうごいていたころのはなし―』という彼の絵本が自宅の収納棚に仕舞っていたので、今から30年ほど前にはファンになって…
新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために、2月下旬に安倍総理が「全国の小・中学校、高等学校、特別支援学校の一斉休校措置」を要請したことにより、各都道府県はその実情に合わせて各学校を3月上旬から休校することにした。それ以来、年度を跨いで…
気になっていた。とても気になっていたけど、そのままにしてしまった。…それは、当ブログの記事に対して、初めてコメントをくれた方への応答的な記事を書きそびれたまま3か月以上も経ってしまったこと。本年2月17日付けの記事「エッセイが苦手な小説家の…
最近、私は「柚月裕子」にハマりつつある。その名前を初めて知ったのは、活字ではなく映像の方であった。昨年の9月にNHK・BSプレミアムで『盤上の向日葵』という本格ヒューマンミステリー・ドラマを視聴した。ここ数年来、最年少天才棋士・藤井颯太7…
10日ほど前の記事の中で、私が小学生の頃に母子家庭になったことについて少し綴ったが、それに関連して他にも思い出す場面があった。それは、両親の離婚調停が行われていた頃だと思うが、私が母親に家庭裁判所へ連れて行かれた時のことである。家庭裁判所…
今年のゴールデンウィークは、東京都だけでなく日本中が「ステイホーム」週間になった。その理由は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発出された「緊急事態宣言」に基づいて国や各自治体から不要不急の外出自粛の要請があり、ほとんどの日本国民が…
先日読んだ『スキャンダル』(遠藤周作著)の解説的役割を担っていたのは、今は亡き河合隼雄氏の「たましいへの通路としてのスキャンダル」という文章であった。これは、単なる解説とは異なり、本作品に対する河合氏の自己体験を基にした独自な論を展開した…
前回の記事において、私なりの「スロー・リーディング」の実践をした『スキャンダル』(遠藤周作著)の中で、私が小学生時代のある思い出を想起させた場面があった。それは、本作品の中で重要な役割を果たす登場人物のマダム・エヌこと、成瀬夫人が医療ボラ…
前回の記事の中で予告したように、私は自分なりの「スロー・リーディング」の実践として、「純文学」のジャンルに入る『スキャンダル』(遠藤周作著)という作品を、ゴールデン・ウィーク中に暇を見つけては読んでみた。本書を選んだきっかけは、今から数週…
前回の記事で、又吉直樹氏の「文芸評論」的な文章を参考にして、私は「純文学」の今までの読み方を見直す必要があると綴った。そして、その見直しの内容は登場人物の心情や場面ごとの情景等をじっくりと味わいながら深く読むことをイメージしていた。しかし…
新型コロナウイルスの感染者数がまだ50人にも満たない本県。その県庁所在他の本市でも、市立の児童館や図書館等の施設を閉館したり、市立の公園の駐車場を閉鎖したりしている。また、民間の保育園においても家庭で子どもの面倒をみることができるなら、な…
例年であればワクワクした気分で迎える「ゴールデンウィーク」。でも、今年はこのコロナ禍によって不要不急の外出自粛要請があり、東京都の小池知事などはこのゴールデンウィークを「ステイホーム週間」にしてほしいとの呼び掛けを都民にした。一般的に家に…
先週の18日(土)の夕方から19日(日)にかけて、私は鼻詰まりや喉の痛みを伴う微熱(37℃前後)が続いていた。特に18日の夜中には、一時は体温が37.5℃になるなど症状が悪化してきて一睡もできない情況だった。「えっ、これって新型コロナウイル…
「日本は他国に比べて、新型コロナウイルスの検査数が少ないから感染者数も少ない。無症状の感染者がサイレント・キャリアになって無自覚に感染を広めているかもしれないので、PCR検査数をもっと増やしてそれらの人々を病院以外の宿泊施設等で隔離しない…
当ブログを始めて今まで178回の記事を綴ってきたが、まだ明かしていないことがある。それほど大袈裟なことではないが、実は私が地元の国立大学教育学部に在籍していた頃の一時期、「茶道同好会」に入っていたことがある。中学・高校時代は「野球」にのめ…
新型コロナウィルスの感染拡大に備える改正特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を受けて指定された7都府県で、外出自粛要請が出された4月8日(水)の午前中、私はハローワーク(職業安定所)に居た。雇用保険の「高年齢求職者給付金」の受給手続きをすると…
前回の記事で、「自閉症スペクトラム症」(ASD)の特性の一つに、「拘(こだわ)りが強い」こと、特に手順やルールに拘りがあるということを紹介した。この場合、「拘り」そのものではなく、その強さや偏りがあることに特性が見出されるのであるから、「…
前々回の記事において、2005年に寝屋川事件を起こした少年の犯行動機と「広汎性発達障害」との関連について綴りながら、私は「発達障害」全般に対する理解を深めていく必要性を強く感じた。そもそも私が「発達障害」に対して強い関心を抱いたのは、今か…
令和2年3月31日付けで、私は(公益財団法人)県スポーツ振興事業団を定年退職した。言い換えれば、今日で第二の人生のファースト・ステージを閉幕することになったのである。教職生活38年間の後、生涯スポーツ社会の実現を目指して、各種のスポーツや…