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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

日本人として知るべき実情と問い直すべき重い課題とは…~柳美里著『JR上野駅公園口』に学ぶ~

ずっと気になっていた『JR上野駅公園口』(柳美里著)を読んだ。自宅の書棚に並んでいる柳氏の作品は『私語辞典』『家族の標本』『仮面の国』等のエッセイ集ばかり。芥川賞作家なのに今まで彼女の小説を私はなぜだか読んだことがなかった。だから、今回初…

老後は「回想」によって孤独を楽しもう!~五木寛之著『孤独のすすめ―人生後半の生き方―』から学ぶ~

先日、梅雨の合間の晴れ日に、私が中学生から大学生時代に住んでいた場所辺りを散歩してみた。その場所というのは現在の自宅がある町の隣町なので、徒歩で30~40分ほどあれば回ることができる。今まで仕事をしていた頃は当時を思い出すこともほとんどな…

道徳教育で「いじめ」はなくなるか?~森口朗著『誰が「道徳」を殺すか―徹底検証「特別の教科 道徳」―』を手掛かりに~

先週の土曜日も、長女に連れられて孫Hは我が家へ来て、昼食を挟んで4時間ほど遊んで帰った。午前中は、風船やフラフープを使ったり、プラレールで新幹線を走らせたりして遊んだ。また、午後から久し振りに晴れ間が出て気温も少し上がったので、背負うタン…

道徳教育において偉人伝を取り上げることの是非について~パオロ・マッツァリーノ著『みんなの道徳解体新書』を手掛かりに~

一週間に一度は馴染みの古書店か近所の書店に行くのが、私の楽しみの一つである。もちろん目当ての本を探索したり入手したりする目的で行くことが多いが、特に目的もなく書棚に並ぶ本をしばらく眺めて帰ることもある。ただし、そのような場合でも、著者や書…

馴染みの喫茶店で飲むコーヒーの味は?~池永陽著『珈琲屋の人々』を読んで~

月に3~4回、妻と一緒に行く馴染みの喫茶店がある。ほとんどの時は、午前9時過ぎに訪れ、食前の味噌汁が付く美味しいモーニング・セットを注文する。もちろん、ブレンド・コーヒーを付けて…。舌をちょっと刺激する酸味とわずかな苦みが上手くミックスされ…

警察組織の闇の部分を明らかにする正義とは?~柚月裕子著『朽ちないサクラ』を読んで~

二女と孫Mが自宅マンションへ帰ってから約1か月、就寝前後のわずかな時間を活用して、私は「柚月裕子」の作品を次々と読んできた。そのラインナップは、『臨床真理(上・下)』『最後の証人』『検事の本懐』『蟻の菜園~アントガーデン~』『朽ちないサク…

「充実した人生」という言葉に惑わされてはいけない!~勢古浩爾著『60歳からの「しばられない」生き方』に学ぶ~

昨日の5月9日(日)、私たち夫婦は近くのデパ地下で豪華な弁当5折を買って、車で約15分間の距離にある妻の実家を訪問した。「まん延防止特別措置」の適用期間中ではあるが、「母の日」のお祝いのために満92歳の義母や義姉夫婦と一緒に昼食を食べたよ…

桃栗三年、柿八年、柚子(ゆず)は九年で花が咲く!~重松清著『峠うどん物語(下)』を読んで~

全国的に新型コロナ・ウイルスの変異株が猛威を振るい始め、大都市圏はもとより地方都市にも感染が急激に拡大している。そのために、当該都府県には「緊急事態宣言」を発令したり「まん延防止等重点措置」を適用したりして、政府及び各地方公共団体はその対…

「メメント・モリ」(死を想え)って、どういうこと?~重松清著『峠うどん物語(上)』を読んで~

録画保存していた劇場版映画を再生し視聴したことをきっかけにして、その原作者の他の著書を読むという習慣みたいなものが身に付いてしまった。先月末に視聴した映画は、以前に重松清氏の原作を読んでいた『きよしこ』だった。著者の分身のような吃音の少年…

「学校・家庭・地域の連携教育」は、「学校化社会」からの決別を可能にするか?~上野千鶴子著『サヨナラ、学校化社会』を読んで~

4月25日(日)の午前中、NHK・BS1で再放送された<最後の授業「上野千鶴子」>を妻と一緒に視聴し、研究対象の変遷に伴って彼女が発してきた名言のいくつかを聞くことができた。上野氏は東大入学式のスピーチが話題になったり、「おひとりさま」シ…