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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

「神道」って、宗教なのかな?~島田裕巳著『神道はなぜ教えがないのか』から学ぶ~

前回と前々回の記事において、『神々の乱心(上・下)』(松本清張著)と『松本清張の「遺書」―『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く―』(原武史著)を取り上げ、「清張の天皇制観」の2つの視点について綴った。特に前回は、「シャーマニズム的」な視点…

「松本清張の天皇制観」を探る②~松本清張著『神々の乱心(上・下)』と原武史著『松本清張の「遺言」―『昭和史発掘』『神々の乱心』を読み解く―』を読んで~

今月13日(日)の午後に放送された読売テレビの「そこまで言って委員会」のテーマは、「皇室」であった。その中で「皇位継承」や「女性・女系天皇」について取り上げた議論は、とても興味深く大いに学ぶことがあった。と言うのは、「男系男子の継承」を尊…

「松本清張の天皇制観」を探る①~松本清張著『神々の乱心(上・下)』を読んで~

以前の記事で無宗教だと自認している私が日常的に親しんでいるのは「仏教」だと綴ったことがあったが、前回の記事で神社で執り行われた孫Mの「お宮参り」の行事について触れた時に、よく考えれば「神道」もあるなあと意識した。ただし、戦後生れの私などは…

生誕110日目を迎えて、やっと孫Mの「お宮参り」と「お食い初め」、そして「記念撮影」をすることができました!

今年の梅雨入りは例年より早かったにもかかわらず、雨が降らない日が多く「空梅雨」の様相を呈している。雨嫌いの私にとって、これは大変ありがたいことである。つい先日の6月6日(日)も、午前中は薄曇りの晴れで気温も23℃程度だったので、屋外でも過ご…

悪人こそ、阿弥陀仏の救いの本当の対象?~ひろさちや著『生き甲斐なんて必要ない―ひろさちやの仏教的幸福論―』から学ぶ~

前回、柳美里氏が著した『JR上野駅公園口』を取り上げて記事を綴った際に触れなかったが、私の心の中で気になっていることがあった。それは、主人公の男性(カズさん)の息子の浩一が亡くなった時に浄土真宗に基づいて行われた葬儀やその教義等について克…

日本人として知るべき実情と問い直すべき重い課題とは…~柳美里著『JR上野駅公園口』に学ぶ~

ずっと気になっていた『JR上野駅公園口』(柳美里著)を読んだ。自宅の書棚に並んでいる柳氏の作品は『私語辞典』『家族の標本』『仮面の国』等のエッセイ集ばかり。芥川賞作家なのに今まで彼女の小説を私はなぜだか読んだことがなかった。だから、今回初…

老後は「回想」によって孤独を楽しもう!~五木寛之著『孤独のすすめ―人生後半の生き方―』から学ぶ~

先日、梅雨の合間の晴れ日に、私が中学生から大学生時代に住んでいた場所辺りを散歩してみた。その場所というのは現在の自宅がある町の隣町なので、徒歩で30~40分ほどあれば回ることができる。今まで仕事をしていた頃は当時を思い出すこともほとんどな…

道徳教育で「いじめ」はなくなるか?~森口朗著『誰が「道徳」を殺すか―徹底検証「特別の教科 道徳」―』を手掛かりに~

先週の土曜日も、長女に連れられて孫Hは我が家へ来て、昼食を挟んで4時間ほど遊んで帰った。午前中は、風船やフラフープを使ったり、プラレールで新幹線を走らせたりして遊んだ。また、午後から久し振りに晴れ間が出て気温も少し上がったので、背負うタン…

道徳教育において偉人伝を取り上げることの是非について~パオロ・マッツァリーノ著『みんなの道徳解体新書』を手掛かりに~

一週間に一度は馴染みの古書店か近所の書店に行くのが、私の楽しみの一つである。もちろん目当ての本を探索したり入手したりする目的で行くことが多いが、特に目的もなく書棚に並ぶ本をしばらく眺めて帰ることもある。ただし、そのような場合でも、著者や書…

馴染みの喫茶店で飲むコーヒーの味は?~池永陽著『珈琲屋の人々』を読んで~

月に3~4回、妻と一緒に行く馴染みの喫茶店がある。ほとんどの時は、午前9時過ぎに訪れ、食前の味噌汁が付く美味しいモーニング・セットを注文する。もちろん、ブレンド・コーヒーを付けて…。舌をちょっと刺激する酸味とわずかな苦みが上手くミックスされ…

警察組織の闇の部分を明らかにする正義とは?~柚月裕子著『朽ちないサクラ』を読んで~

二女と孫Mが自宅マンションへ帰ってから約1か月、就寝前後のわずかな時間を活用して、私は「柚月裕子」の作品を次々と読んできた。そのラインナップは、『臨床真理(上・下)』『最後の証人』『検事の本懐』『蟻の菜園~アントガーデン~』『朽ちないサク…

「充実した人生」という言葉に惑わされてはいけない!~勢古浩爾著『60歳からの「しばられない」生き方』に学ぶ~

昨日の5月9日(日)、私たち夫婦は近くのデパ地下で豪華な弁当5折を買って、車で約15分間の距離にある妻の実家を訪問した。「まん延防止特別措置」の適用期間中ではあるが、「母の日」のお祝いのために満92歳の義母や義姉夫婦と一緒に昼食を食べたよ…

桃栗三年、柿八年、柚子(ゆず)は九年で花が咲く!~重松清著『峠うどん物語(下)』を読んで~

全国的に新型コロナ・ウイルスの変異株が猛威を振るい始め、大都市圏はもとより地方都市にも感染が急激に拡大している。そのために、当該都府県には「緊急事態宣言」を発令したり「まん延防止等重点措置」を適用したりして、政府及び各地方公共団体はその対…

「メメント・モリ」(死を想え)って、どういうこと?~重松清著『峠うどん物語(上)』を読んで~

録画保存していた劇場版映画を再生し視聴したことをきっかけにして、その原作者の他の著書を読むという習慣みたいなものが身に付いてしまった。先月末に視聴した映画は、以前に重松清氏の原作を読んでいた『きよしこ』だった。著者の分身のような吃音の少年…

「学校・家庭・地域の連携教育」は、「学校化社会」からの決別を可能にするか?~上野千鶴子著『サヨナラ、学校化社会』を読んで~

4月25日(日)の午前中、NHK・BS1で再放送された<最後の授業「上野千鶴子」>を妻と一緒に視聴し、研究対象の変遷に伴って彼女が発してきた名言のいくつかを聞くことができた。上野氏は東大入学式のスピーチが話題になったり、「おひとりさま」シ…

約30年前、この本が「学びの総合化」へ向けた教育研究推進の後押しになった!~日沼頼夫著『新ウイルス物語-日本人の起源を探る』を再読して~

日中少し汗ばむような陽気になった日に、私は久し振りに自転車で市内の古書店巡りをした。その中で、教職最後の勤務校の校区内に当時開店した古書店を6年ぶりに訪れた時、思わぬ本と再会した。それが、『新ウイルス物語-日本人の起源を探る』(日沼頼夫著…

身近に存在する祖父は、孫にとってどのような意味をもつのか?~湯本香樹実著『西日の町』を読んで~

二女と孫Mが自宅マンションへ戻ってから、日常生活に時間的・精神的な余裕ができたので、今までに録画保存していた数本の映画を再生して視聴した。その中で、初孫Hの満4歳の誕生日だった本年2月11日にNHK総合で放送された『岸辺の旅』が、私の心に…

二女と孫Mが自宅マンションへ戻り、じじばばは孫ロス状態になっています!

先週の金曜日、4月16日に二女と孫Mが我が家から自宅マンションへ戻った。前夜、いつもとは違い、Mは2回続けて3~4時間ほど寝てくれたので、私たち3人はまとまった睡眠時間を確保することができた。「何とママやじじばば孝行なのだろう!」と、私た…

「♯教師のバトン」プロジェクトって何?教職はブラックな職業?…~井岡瞬著『教室に雨は降らない』の中に教職の魅力を見た!~

3月下旬から私のTwitterのタイムラインに、「♯教師のバトン」というハッシュダグを付けたツイートが散見されるようになった。その内容を読むと、教職のブラックな面について綴られたものが多い。しかし、私はそのような内容で「♯教師のバトン」を付けるのは…

働かざるもの食うべからず?~泉谷閑示著『仕事なんか生きがいにするな-生きる意味を再び問う』を読んで~

私に実存的な問題として浮上してきた「なんとなく退屈だ」という気分との闘いについての方策は、前回の記事に具体的なイメージ内容として示すことができた。それに対して、もう一つの実存的な問題、つまり「社会的に有意義な仕事をしていないと人生を充実で…

なぜ人は「退屈」するのか?私は「退屈」とどのように向き合うのか?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑩~

いよいよ本書に関する10回連続記事の最終回になった。今回は、前回からの宿題である、著者の総括的な結論を受けて、私なりに今までの生き方や在り方を振り返りつつ、私を不意に襲った実存的な問題(「暇」の中で「退屈」してしまうという事態にどのように…

結論は「退屈」との共存の道?それとも「退屈」からの回避の道?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑨~

早いもので、今年ももう4月に入った。「毎日が日曜日」状態になると、曜日感覚とともに年度感覚も薄れてくるものである。現職時代は「さあ、新年度だ。また、新たな気持ちで頑張ろう!」という意識が高まってきたが、現在のように平板な日々の連続の中では…

「退屈」の第二形式を生きる人間は、時に<動物になること>がある?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑧~

最近、私の腕の中で入眠する前の孫Mが、じっと私の眼を穴が開くほど見つめることがある。純真無垢な眼でじっと見つめられると、こちらの心まで浄化されていくような気がする。私にとってこの「まなざしの交換」は、聖的な儀式のようだ。何となく敬虔な気持…

動物も「退屈」することはあるのか?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑦~

首都圏の1都3県に発出されていた「緊急事態宣言」が解除された途端に、いわゆる“第4波”があっという間にやってきた。つい先日までは新型コロナ・ウイルスの新規感染者数がほとんどいなかった我が県でも急増してきて、数日前には今までの最高値を更新した…

気晴らしと絡み合った「退屈」は、人間の生の本質?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑥~

ここ数日、昼夜を問わず孫Mがぐずった時に寝かし付ける世話に追われている。そのために、上腕筋が張ったり睡眠不足になったりしてきて、多少疲れ気味である。その上、一人目の4歳の孫Hが一昨日に嘔吐の症状が起き、病院でウイルス性胃腸炎の診断を受けた…

「本来性なき疎外」って、どんな疎外のことなの?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ⑤~

全国各地から桜の開花宣言がなされ、暦の上では昨日「春分の日」になり春のお彼岸を迎える好季節になってきた。また、首都圏の1都3県に延長して発出されていた「緊急事態宣言」が、明日には解除される運びである。しかし、首都圏ではまだ新型コロナウイル…

「暇」の中で「退屈」せずに生きる術を知る階級?仕事こそ生き甲斐と感じている階級?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ④~

孫Mが誕生して1か月を迎え、我が家に二女と共に来てから3週間が経った。二女と妻は、昼夜を問わずにMの世話。私はというと、今までは昼間にMが泣き出したら抱っこして機嫌を取る世話が中心であった。しかし、さすがに二女と妻が睡眠不足になり疲労困憊…

定住革命が「退屈」を回避する必要を与えた?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ③~

またまた、嬉しいことがあった。前々回の記事に対して、私の数少ない読者として登録してくれているkannawadokushoさんがHatena Starの☆を付けてくださったのだ。有難うございます。kannawadokushoさんは、大分で哲学カフェや別府鉄輪朝読書ノ会を運営し、【…

「退屈」する人間は、苦しみや負荷を求めている?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ②~

2011年3月11日に東日本大震災が起こり、昨日はそれから10年目を迎えた日であった。私はテレビの特別報道番組を視聴しながら、改めて地震や津波等による犠牲者に対して謹んで追悼の意を表した。このような不条理な災害に見舞われた遺族や関係者の方…

私が「好きなこと」とは何だろう?~國分功一郎著『暇と退屈の倫理学』から学ぶ①~

二女の夫が我が妻と子Mに会うため先週の金曜日夜に我が家に来て、その晩泊まり土曜日の夜まで丸一日過ごして帰った。その間、Mのオムツ替えや沐浴等の世話を甲斐甲斐しくしてくれたおかげで、私は久し振りで何をするでもなく、土曜日は久し振りに「暇」な…