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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

人生・生き方

哲学対話で「探究による学び」を探究しました!~「第7回愛媛の探究をつくる会」より~

12月15日(金)18:30~20:00、愛媛大学教育学部附属小学校の1年教室で、「第7回愛媛の探究をつくる会」が開催された。今回は、『「探究による学び」を探究しよう』というテーマで、私がファシリテーターになって哲学対話をするという企画で…

「こども哲学」と発達障害の子との相性について~川辺洋平著『自信がもてる子が育つこども哲学―“考える力”を自然に引き出す―』から学ぶ~

私の職場の隣には市の男女共同参画推進センターの建物があり、その2階にちょっとした図書コーナーがある。昼休みの時間にたまにそこを訪れるのだが、先日ちょっと興味を惹く本を見つけた。それが、今回の記事で取り上げる『自信がもてる子が育つこども哲学―…

「心的なもの」という概念の住処とは?~古田徹也著『このゲームにはゴールがない―ひとの心の哲学―』から学ぶ~

幼稚園に通う3歳半になる娘に、焼き海苔を敷いて巻く卵焼きを得意になって作り弁当に入れていた著者が、何気ない会話の中で実はその卵焼きは娘の好みではないという本音を知りショックを受ける。しかし、著者はそれ以上に娘がその本音を隠そうとしたことに…

弱い心を癒してくれそうな「珈琲屋」の熱いコーヒーを飲んでみたいなあ!~池永陽著『珈琲屋の人々―どん底の女神/心もよう―』を読んで~

つい2週間ほど前まで夏日が続いていたと思っていたら、最近は最低気温が10℃を下回る日があり、あっという間に晩夏から晩秋、いや冬になってしまった感じがする。もうこの時期なので、当然と言えば当然なのだが・・・。日本の四季は本当になくなってしまうの…

「探究」に関する講演を拝聴しての所感あれこれ~藤原さと著『協働する探究のデザイン―社会をよりよくする学びをつくる―』を参考にして~

11月19日(日)の午前中、愛媛大学教育学部2号館の4階多目的講義室を会場にして開催されたSDGs研修会の講演「協働する探究のデザイン―すべての教師が大切にされる探究―」を拝聴することができた。講師は一般社団法人「こたえのない学校」代表理事…

江戸時代の村医者の矜持に共感!~青山文平著『本売る日々』を読んで~

11月に入って、喉の痛みや鼻づまり、肩こりなどの花粉症のような症状が起きて、ついには声が出なくなってしまったので、2日(金)の午前中に年次有給休暇を取ってかかりつけの耳鼻咽喉科で診てもらうと、何と「風邪だ。」と言われた。この2~30年ほど…

やっと教員対象の哲学対話にチャレンジできるぞ!~河野哲也[編]『ゼロからはじめる 哲学対話』から学ぶ~

やっと秋の気配を実感するようになったと思っていたら、10月も下旬になっていた。仕事関係では初旬から「就学児を対象とした秋の教育相談」の運営を行う事務局の業務に追われたり、自身が相談担当をして審議資料を作成したり、中旬には「特別支援学級に在…

「サバァン症候群」と「ギフテッド」について考える~柚月裕子著『月下のサクラ』を読んで~

9月下旬になったのに、まだ真夏日が続いている。朝晩は少しの冷気を含んだ空気になり、微かな秋の気配を感じるようにはなっているが、それでも日中は残暑が厳しい。日本の四季は、本当に夏と冬の二季になってしまうのか。季節の移ろいを楽しむ気分に浸るこ…

夫が妻を介護する老老介護について考える~上野千鶴子著『男おひとりさま道』から学ぶ~

前回の記事では、『妻の終活』(坂井希久子著)という小説に触発されて、「男おひとりさまの老後を見据えて」の対応について自分事としてとらえ考えたことを綴ってみた。その中で、今後自分がおひとりさまになった時を想定してみると、今から精神的かつ生活…

男のおひとりさまの老後を見据えて・・・~坂井希久子著『妻の終活』を読んで~

「女性の方が平均寿命は長いから、普通は旦那の方が先に逝くんじゃないか。」 「でも、先々のことは神様だけしか分からないから、逆の場合もあるよ。その時は男のおひとりさまの老後になるけど、大丈夫なの?」 亡き義母の遺産相続の手続きをどうするか、義…

後悔しない、真っ当な人生の送り方とは?~勢古浩爾著『人生の正解』から学ぶ~

前回の記事でとり上げた『ある男』(平野啓一郎著)の内容は、凄惨で不幸な自分の過去を捨てて、全く別人の人生を生き直そうとした「ある男」の身元調査の過程が謎解きになるという、ミステリー仕立てのストーリーだった。フィクションとは言え、「ある男」…

愛に過去は必要なのだろうか?~平野啓一郎著『ある男』を読んで~

暑い!本当に暑い!!四国地方の梅雨明けは例年より少し遅かったが、その前から酷暑の日々が続いていた。そのため、私は早くも夏バテ気味になり、当ブログの更新もままならない情況だった。書斎のクーラーが故障していて、パソコンでキーボードを打つなんて…

誰でも「普通」ではない面があるのではないの?~村田沙耶香著『コンビニ人間』を読んで~

私は時々、昼休みの時間を利用して職場近くにある市立中央図書館へ足を運ぶことがある。つい先日も暇つぶし程度の感覚で訪れ、特に当てもなく小説のコーナーをうろついていた。すると、私の目が、黄色地に黒の字で書かれたある本のタイトルに惹き付けられた…

人と人との関係性は発生的に変化していくのがよく分かる物語!~砂原浩太朗著『高瀬庄左衛門御留書』を読んで~

年に何回か「時代小説が読みたい!」という思いに心が囚われて、古書店の時代小説の棚にどうしても足が向いてしまう時がある。それが6月下旬だった。以前に新刊本が出た時に、「面白そうだな。」と思って気に留めただけの時代小説の単行本を、今回二冊購入…

「読む」ことについて考える~高橋源一郎著『「読む」って、どんなこと?』から学ぶ~

先日の日曜日、車で約1時間半の場所に住んでいる二女とその長男M(私たち夫婦にとって二人目の孫)を訪れた。父親は、市役所の秘書課勤務なので日曜日でも出勤していて不在。Mとは久し振りの再会だったが、すぐ私たちに甘えてくれた。まだ2歳4か月なの…

二つの〈良心〉が和解(相互承認)することができた理由とは?~西研著『ヘーゲル・大人のなりかた』から学ぶ~

前回の記事で、5月のNHKのEテレ番組「100de名著」で取り上げられたヘーゲルの『精神現象学』で述べられている「精神」の成長過程を、講師の斎藤幸平氏のテキストを参考にして素描した。そして、「精神」の最終的な到達点である<良心>の和解(相互承認…

分断を乗り越える思想とは?~「100de名著」におけるヘーゲル著『精神現象学』のテキストから学ぶ~

四国地方はすでに梅雨入りし、カレンダーも6月のページになってしまったが、今日は先月放映されたEテレの「100de名著」の話題を取り上げよう。5月に取り上げられた名著は、「近代哲学の完成者」とも称されるゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリッヒ・ヘー…

様々な刺激を受けた初参加の読書会!~『読書会入門―人が本で交わる場所―』に触発されて~

随分前になるが、『読書会入門―人が本で交わる場所―』(山本多津也著)を読み、著者が「読書会に慣れ親しむことで、同じでなくてはならない、同じ言葉しか使えないといった強烈な同調圧力も軽減されるのではないか」という理由で読書会を学校の授業に取り入…

コロナ禍で見失っていた哲学的な問いとは?~國分功一郎著『目的への抵抗 シリーズ哲学講話』から学ぶ~

先日、久し振りにジュンク堂書店三越店へ行き平台に置かれている本たちを何気なく見ていると、帯の「自由は、目的を超える。『暇と退屈の倫理学』がより深化。東京大学での講話を収録!」という言葉が目に飛び込んできて、止むに止まれぬような気分になり『…

勉強とはこれまでの自分の自己破壊である!~千葉雅也著『勉強の哲学~来るべきバカのために 増補版~』から学ぶ~

今年のゴールデンウィークを9連休にするために、5月1日(月)と2日(火)に年次有給休暇を取った。ただし、4月29日(土)~30日(日)に二女が趣味でやっているフラダンスの発表会に出演するために、孫Mと共にやって来て一泊して帰ったので、ゆっ…

生前の義母との思い出、あれこれ…

4月12日(水)の午後11時47分、義母が急性心臓病で亡くなった。享年94歳。 その週の日曜日に、私たち夫婦は義母とお弁当やおはぎを一緒に食べようと実家を訪れたが、義母は食欲がなく、おはぎをほんの少し食べただけでお弁当は口にしなかった。次の…

「いいね」によって束ねられる健常発達者の危うさ!~兼本浩祐著『普通という異常―健常発達という病―』から学ぶ~

3月も中旬を過ぎると、ほとんど各学校からの教育相談業務はなくなり、私たち特別支援教育指導員の仕事は開店休業状態になる。こんな時は、自分の課題意識に即した特別支援教育関連の本を読んで研修をしようと、私は少し気合を入れて読む必要があると思って…

「やりたいことをやりましょう」は〈奴隷の道徳〉なの?!~古川雄嗣著『大人の道徳―西洋近代思想を問い直す―』から学ぶ~

先月10日(金)の「愛媛の探究をつくる会」が終わった後、附属小学校の道徳科を研究している先生と「道徳科教育の在り方」について少し意見を交わすことができた。主に道徳科と他教科等との合科的・関連的な指導を構想するカリキュラム・マネージメントの…

久し振りに学び合う楽しさを体験した!②~「愛媛の探究をつくる会」に参加して~

前回の記事で、2月3日(金)に開催された第101回愛媛教育研究大会において、体育科の公開授業を参観したり研究協議会へ参加したりした内容の概要と簡単な所感を綴った。実は、その大会当日にわずか10分間ほどだったが、私は1年生の「ぎんなん学習」(生…

「考える」って、どうすることなの?どのようにすればできるの?~安野光雅著『かんがえる子ども』と野矢茂樹編著『子どもの難問~哲学者の先生、教えてください!』を読んで~

今の職場の隣に、半年間勤務して約2年前に退職した職場である当市の男女共同参画推進センターがあり、その2階に図書コーナーが設置されている。主には男女共同参画推進に関する本を所蔵しているが、小説やエッセー、子育て本等も少しは並んでいるので、勤…

久し振りに「シャーデンフロイデ」を投影する池井戸作品の痛快さを味わった!~池井戸潤著『半沢直樹~アルルカンと道化師』を読んで~

以前に、『「恨み」という感情をコントロールするには?…』(2020.4.12付)という記事の中で、「正しい恨みの晴らし方」の一つに「シャーデンフロイデ」(他人の失敗や不幸を嬉しいと思う感情を表わすドイツ語)を活用する方法があると綴った。その…

上質の歴史小説は面白いなあ!~葉室麟著『実朝の首』を読んで~

今月8日(日)、松本潤主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」の初回放送を視聴した。今までの徳川家康像とはかなり異なるイメージだったからか、ちょっと拍子抜けした感じだった。また、テーマ曲も題字も、豊かな感性に乏しい私には少し違和感があった。…

読解の秘訣としての「解釈学的循環」という概念について~山口尚著『難しい本を読むためには』から学ぶ~

2023年元日。昼前に長女たち家族3人、昼過ぎに二女たち家族3人が、我が家へ年賀の挨拶に来てくれた。皆で華やかなお節料理を囲みながら、成長著しい孫たちの話を酒の肴にして愉快な時間を過ごした。食後は、娘たち夫婦と孫Hは任天堂スイッチ・スポー…

気骨ある“精神の革命児”逝く!~渡辺京二著『さらば、政治よ 旅の仲間へ』読んで~

今年のクリスマスの日、日本近代史家で評論家の渡辺京二氏が熊本市の自宅で老衰のために92歳で亡くなったことが報じられた。渡辺氏のことについては、幕末・明治期に訪日した外国人たちの滞在記を題材として、江戸時代を明治維新によって滅亡した一つのユ…

二人の孫の成長を実感したクリスマス会~孫たちの現況報告を兼ねて~

世間でいう「クリスマス」は今日だが、我が家の「クリスマス会」は先週の土曜日にもう済ませた。久し振りに長女と二女がそれぞれの長男(私たち夫婦にとっては孫たち)を伴って来訪してくれたので、家族そろって妻の誕生日(12月29日)の前祝いを兼ねて…