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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

これからのスポーツ振興の方向性について

    平成29年に策定された「第2期スポーツ基本計画」を受けて、昨年3月にスポーツ庁より『スポーツ推進アクションガイド』が策定・公表された。本ガイドの目的として「スポーツの魅力や意義を国民に知ってもらうこと、スポーツ参画の阻害要因に対するアプローチ策を発信すること、関係団体等が同ガイドを活用することによりスポーツに参画する者を増やしていくこと」を挙げ、学校や地方公共団体、地域スポーツクラブ、スポーツにかかわる民間事業者、医療保険者、スポーツ指導者、健康づくりに携わる者、マスコミなど、幅広い組織や団体が本ガイドを活用することを求めている。

 

 そこで今回は、特に本ガイドの「第3章 スポーツの参画を促すための3つの方向性」の内容概要とそれに対する私なりの簡単な所感をまとめておきたい。

 

 第3章では、「する」「みる」「ささえる」の3つの分野でスポーツへの参画を促すための方向性(参加促進策)を示している。まず、「する」スポーツは、下表のようにライフステージ別に整理しているほか、多世代にまたがる参加促進策や障がい者に向けた参加促進策も挙げている。

 

ライフステージ

具 体 的 な 参 加 促 進 策

子ども世代

スポーツ少年団や運動部活動以外で子どもがスポーツに参加できる場づくり、学校体育施設の有効活用、運動の意欲を高める支援・工夫。

ビジネスパーソン・子育て世代

・利用がしやすい早朝や夜間等におけるスポーツ機会の提供、健康経営の推進、一人で気軽に参加できる場づくり、20~40歳代女性にターゲットを絞り込んだ取り組み。

 高齢者世代

・自然に暮らしているだけで健康になれるまちづくり、地域コミュニティを通じた健康づくり。

 

原則的には全ての世代に向けてスポーツへの参加促進策を具体化していくことが必要だが、当法人においては特に「子ども世代」や「ビジネスパーソン・子育て世代」をターゲットにしたスポーツ教室やイベントなどの企画を今後とも工夫していきたいものである。

 

 次に、「みる」スポーツの参加促進のためには、ルールを知らない人も楽しめるサービスの提供や、地域文化としてのスポーツの定着の必要性を訴えている。これらの具体策としては、当法人の貸館事業においてプロスポーツや競技スポーツ団体等と連携したイベントを構想することが可能である。特にこれからは「e-スポーツ」の普及・振興がポイントになるであろう。

 

 最後に、「ささえる」スポーツの参加促進のためには、スポーツを支える魅力の多様性を具体的に発信していくことや、特定スポーツの継続誘致によるメッカづくりなどが求められている。これらの具体策については、我が県スポーツ・文化部スポーツ局の各課において企画・運営されることが原則となるであろう。

 

 なお、スポーツ人口の拡大に向け、取り組みの効果を高めるためには、「スポーツ参加促進策の推進」と「スポーツ参加の機会を企画・提供する担い手の持続性」の2つの観点からのアプローチが重要であるとまとめている。前者に関しては「関心の喚起」「だれもが参加しやすい場づくり」「参加者の継続性を高める工夫」「地域への定着」の4つのポイント。後者は「現場の創意工夫を促すしくみづくり」「指導者不足の解消」「スポーツを実施する身近な場所の確保」「取り組みを持続可能とする工夫」「ノウハウの蓄積・共有」の5つのポイントを挙げており、当法人もこれらのポイントを常に意識して事業展開をすることが求められるのである。