「平成」と「令和」をまたぎ、世間的には10連休のゴールデンウィークの真っ只中なのに、私は慌ただしい日々を送っている。というのは、「平成」の終わりが目前になってきた先月中旬以降、「教育」に関する講義依頼が複数あり、今、その用意や準備等に追われているのである。
一つ目は、ここ2年間、7月の第2土曜日に開催されていた現職の先生方を対象とした「教育論文の書き方」をテーマとした講義で、今年も依頼があった。今年も引き受けると3年連続になり、テーマの性質上、講義内容は例年とほぼ同様の内容になるので、最初はお断りをした。しかし、担当の指導主事は「参加希望者が多いので、ぜひ今年もお願いしたい。」と、何度も懇願される。私は、それでも「もう賞味期限切れの内容だし、マンネリ化に陥ることになるので、私より若く有能な講師を探してほしい。」と丁重なお断りを入れたが、最後は担当者の粘りに押し切られてしまった。人前でしゃべるのが商売だったせいか、心のどこかで「少しでもお役に立つのなら、引き受けるのはやむを得ないかな」という気持ちがあり、それを見透かされてしまった結果である。依頼を引き受けた以上は、昨年度の内容を多少でも改善して講義に臨まなくてはなるまいと覚悟を決めた。
二つ目は、同じく現職の先生方を対象とした「中堅教員としての心構え」をテーマとした講義で、これは5月中旬の金曜日に開催する予定だと言う。担当の指導主事(先述の指導主事とは別人)は、私が現職の時に市内のある中学校の校長をしていた時の所属職員。半月ほど前に私が市内のある小学校の校長に依頼することがあって訪問した帰りに、たまたまその指導主事も同小学校を来訪していて、駐車場で再会した際に打診があったのである。私としては元部下からの依頼でもあり、教職内容に関する講義なので、安易に「いつでも引き受けるよ。」と安請け合いをしてしまった。その後、数日を経て、電話で正式な依頼があったという次第である。これも依頼を引き受けた以上は、自分なりの教職のキャリアを最大限生かした講義内容にしようと決意した。
三つ目は、高校の同級生の女性からの依頼であった。彼女は元高校の養護教諭で、現在は地元の私立大学の看護科で教鞭を取っている小児看護学の教授。1年生の特別講義で「読解力の育成」をテーマに10回分(前半の5回は5月~7月、後半の5回は9月以降)の授業を担当してほしいとの依頼。私は小学校教諭と中学校・高等学校の社会科教諭の免許状しか持っていないので、「私の専門外だし、荷が重い。」と柔らかくお断りしたが、「いやいや、附属小学校で15年間も教育実習生の指導をした経歴があり、何本かの教育研究論文を執筆したり校長便りを編集した著書(自費出版)も発刊したりしている。その上に愛読家だから読解力は優れていると思う。ぜひ引き受けてほしい。」との熱い説得に、これまた根負けしてしまった。しかし、そうは言っても人に何かを教えるためには、しっかりした教材研究への取組や確かな授業計画の構想、さらにプレゼンや資料等の作成と、その用意と準備等のためには膨大な時間が必要になる。しかも、講義する日取りを考えると時間的な余裕はあまりない。何と無謀なことを引き受けてしまったのだ!つい他人に対してよい顔がしたいという性格が、つくづく嫌になる。しかし、これも引き受けた以上、今まで自分が身に付けてきた読解力を見つめ直し、それとともに読解力について造詣の深い方の著書を参考にして、何とか期待される講義に耐え得るような内容を構成すべく自分なりに理論化しなくてはならない。
…という訳で、「令和」の時代が始まったばかりのお祝いモードのこの時期ではあるが、しばらく当ブログを休むことにした。それぞれの講義に対する用意や準備等に目途が立ち、精神的に多少の余裕ができたら、孫Hの成長ぶりを報告する記事や、上述した講義の内容とその所感をまとめた記事などをアップするかもしれないが、それまではしばらくお休みさせていただく。当ブログをいつも楽しみにしています!などと言う奇特な方はほとんどいないのではないかと思うので、このような「休止宣言」は必要ないかもしれないが、とにかくそのような事情なので、ご容赦いただきたい。
では、再開のその日まで…。See you again.