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“便秘”を解消するための効果的な対処方法はないの?~辨野義己著『大便通―知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌―』から学ぶ~

    先月28日(木)、私は「虚血性大腸炎」という病気のために緊急入院することになり、今月5日(木)までの8日間、入院生活を余儀なくされた。ここ4回ほどの記事は、この入院生活中にベッドの上で読了した本を取り上げた文章を投稿した。実は退院する際に読み掛けていた本がもう一冊あったのが、今回取り上げるのはその本ではなく、5年前に同様の病気で緊急入院した後で読んだ『大便通―知っているようで知らない大腸・便・腸内細菌―』(辨野義己著)という本である。というのは、本書は「虚血性腸炎」の原因とも関係の深い“便秘”を解消するための対策が書かれていたのを思い出したからである。5年前にもしっかり読んで、その後の食生活の改善に役立てていたが、今回の再発をきっかけにしてもう一度読んでみようと思い立ったという次第である。

 

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 著者の辨野氏は、腸内環境学・微生物分類学を専門領域とする農学博士で、(独)理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室特別招聘研究員をされている方である。腸内細菌と病気との関係を掘り下げた研究を進めた成果を生かして、ビフィズス菌・乳酸菌の高い健康効果を訴える「うんち博士」としてマスコミに広く取り上げられているので、読者の皆さんもよく知っている先生だと思う。本書は、大腸と腸内細菌の最前線を読み解き、「大便」になることで「便通」が訪れると訴えている健康の科学書である。私が前回と今回、「虚血性大腸炎」を発病したのは“便秘”によって腸管の血のめぐりが悪化したことが主な原因だったので、“便秘”を解消するために何をすればよいかを本書を再読することで再確認したいと思っている。

 

    著者は、本書の中で“便秘”を解消するには善玉菌が優勢な腸内環境を作ることが不可欠であると力説している。そのためにすべきことは、善玉菌を増やすのに有効な乳酸菌やビフィズス菌をそのまま摂取することができるヨーグルトを食べること。また、それらの菌のエサとなる食物繊維の多い食事(できれば食物繊維を男性は1日19g、女性は1日17g以上)を心掛けること。さらに、腸から大便を排出する腸腰筋や腹筋を鍛えるために運動を習慣化することなどを挙げている。これらのことは、今では当たり前の健康常識になっていると思う。私もこれらのことは前回の緊急入院以来、この5年間は意識的に実践してきていた。しかし、なぜか“便秘”は十分に解消せず、それが原因の一つになって今回の緊急入院という事態に陥った。そこで、私は“便秘”を解消するための効果的な対処方法はないかと自分なりに考え、退院時に担当医にお願いして便を軟らかくする薬を処方してもらい、現在服用している。ただ、薬は即効性があるものの、飲めば飲むほど効かなくなってくるから、根本的な対処方法にはならない。何か有効な対処方法はないものだろうか?

 

 本書を再読して改めて分かったことは、“便秘”は思った以上に精神的なストレスの影響を受けやすいということ。その理由は、排便を促す腸の蠕動運動は交感神経と副交感神経の連携によって起こるからである。つまり、強いストレス状態が続くと腸がうまく働かず、便意をもよおさないので“便秘”になるのである。私自身は現在、そんなに精神的ストレスを感じていないが、もしかしたら無意識の内に感じていたのかもしれない。公私共に生活実態を見直し、精神的ストレスを軽減するような手立てを講じたい。また、子どもの頃から学校等では羞恥心から排便を我慢することが、大人になってからの“便秘”症状にも繋がるらしい。そう言えば、私が小中学生の頃は友達から囃したてられるのがいやで、学校で排便するのをよく我慢していた記憶がある。あの習慣がよくなかったのかもしれない。さらに、身体が冷えると便意をもよおしにくくなり、特に加齢に伴って身体は冷えやすくなるので、高齢者の多くが“便秘”症状を起こすらしい。私も前期高齢者と呼ばれる年齢になり、否応なく老化現象が至る部位に出てきている。身体を冷やさないような工夫をもっと真剣に考えなくてはならない。

 

 以上、本書から“便秘”を解消するための効果的な対処方法について学んだことをまとめてみたが、絶対効果があるという方法はないように思う。しかし、いくつか挙げた配慮事項については早急に具体的な手立てを講じていきたい。読者の皆さんの中で、もっと効果的な対処方法を知っている方がいれば、この記事の後に表示されている「コメントを書く」を活用してご教示くださいませんか。よろしくお願いします。