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公道でなければ「一方通行」表示は無視!?~村松友視のエッセイ風に~

 休日は妻の買い物に連れ添いアッシー君の役割を果たす私だが、その際に老人性のボヤキを呟いている内についつい公憤が湧き上がってしまうような場面に出会うことがある。

 

    今日も今日とて、あるスーパーマーケットの駐車場に自家用車を止めて、ATMでお金を下ろすためにさっさと車を降りた妻を追うために車外に出ようとした時、その車は「一方通行」の表示を完全に無視して、私の目の前を通り過ぎた。そして、数少ない空きスペースに急いで駐車しようとバックを始めたのである。「おい、おい。公道ではないが『一方通行』表示を無視して逆走してくると、対向車と事故ってしまうぞ!」私は老人性のボヤキが自然と口に出てしまっていた。しかし、その車の所有者は何事もなったように下車して、さっさとスーパーの方へ歩を進めてしまった。私はしばし車のドアに手を掛けたまま唖然としてしまった。 

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 すると、何と先の車に続いて、3台ほどの車がやはり逆走してきてバックで駐車したのである。私の心は「唖然」状態から「呆然」状態へとスパイラル的に上昇していった。「何てことだ。日本人が本来もっていた公徳心は一体どこへ行ってしまったのだ!」私の感情的知性は「老人性のボヤキ」レベルから「公憤」レベルへとヒートアップしてきた。

 

    このスーパーマーケットの駐車場において逆走してきた人々は、おそらく公道においては「一方通行」表示を遵守しているのではないかと思う。それは、「一方通行」表示を無視して逆走すれば、道路交通法違反になり、警察に通報されかねない。また、警察が直に発見した現行犯であれば、当然罰金刑の対象になる違反行為であるから、ほとんどの市民は守るのである。しかし、民間事業所であるスーパーマーケットの駐車場における道路標示は、法律に規定されたものではなく、あくまで買い物客の安全面や公平性を考慮したお願いベースのものである。だから、「対向車がいない場合、安全面に問題はないでしょ。公平性には多少問題が残るけど、私は急いでいるから空きスペースが埋まらない内に駐車して早く買い物をしたいのよ。それに誰も咎める人もいないようだし…。」というような利己主義的な理屈を優先しているのではないだろうか。

 

 もし上述のような理屈が的外れでないならば、逆走してきた人たちは誰かが咎めれば「一方通行」表示を守るのだろうか。このことに関連したような実際の場面を、私はつい先日たまたま目撃していた。その事実の概要を述べておこう。

 

 その日も同じ駐車場で、私が車から降る用意をしていたタイミング。逆走してきた車は私の目の前を通ろうとしたちょうどその場所で、「一方通行」表示に従って進んできた大型普通車と対面する格好になり慌てて停止した。それに対して、大型普通車に乗っていた壮年男性は怒り顔で「ここは一方通行だ。バックしろ!」というように右手を上に払うように動かせた。すると、逆走車に乗っていた中年女性は少し怯えた表情になり、ギアをバックに切り替えてやや右後方へ下がって再び停止した。おそらく離合しようとしたのではないかと思う。しかし、壮年男性は先ほどの動作をさらに大きくして繰り返した。中年女性はしぶしぶといった感じで車をバックさせてその通路から出て行き、壮年男性は車を悠々と前進させていったという顛末であります。

 

 私はその一部始終の有様を目撃していた訳だが、逆走車の中年女性の表情から察するに、この駐車場の「一方通行」表示を意識していたのか、意識していなかったのかどちらとも判断することができなかった。たまたま空きスペースがあった通路に何も考えず侵入してきたら、対向車に乗った怖そうな壮年男性から威嚇されたのでその怖さからバックしたようにも見えた。もちろん逆走している自意識があったから、壮年男性の指示に素直に従ってバックしたようにも見えた。ただどちらにしろ、逆走してきた人たちは誰かが咎めれば、ほとんどの人は「一方通行」表示に従った行動を取るであろう。なぜなら、お願いベースであってもマナーとして守ってほしいと表示しているのだから。また、それに従わずに対向車とぶつかった場合は、事故の責任比率が相手側より大きくなるであろうから…。

 

 しかし、ここで私は考える。では、この駐車場の管理者であるスーパーマーケット側は、駐車場を整理・監督する任務を果たす警備員を配置する義務があるのだろうか。もちろん事業所の財政的な負担過多にならないのであれば、配置する方が適切であろう。ただし、義務とまでは言えないのではないか。なぜなら、「当スーパーマーケットは駐車場内で事故が起こった際に責任を負えません。」という旨の標示板が立っているのだから。だとすれば、駐車場を利用する買い物客自身が、事故を起こさないためにも駐車場を公平に利用するためにも、「一方通行」表示に従うというマナーを守るべきである。

 

 ここまで、公道ではないスーパーマーケットの駐車場における「一方通行」表示を無視して逆走する車が多いという出来事についてつらつらと綴ってきた訳だが、それは単に上述のような当たり前の結論を導くためではない。その真意は、そのような行為が日常茶飯事になっている現状に対して、その背景や原因等について深く考えることが必要ではないかと多くの人に問題提起したかったという、一席のお粗末でございました。…私も当記事を綴った責任を果たすべく、もう少し深く考えてみようと思っている次第であります。

 

 追伸;なぜ当記事を小説家・松村友視のエッセイ風(本当にそうなっているかどうかは読者判断)に綴りたかったかというと、現在進行中で読んでいる本が村松友視著『老人のライセンス』であり、その文体が私好みだったので、つい真似事をしたかったのであります。だから、次回の記事は本書に関する内容にしたいと目論んでいますので、乞うご期待…。