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全世代が取り組みやすい種目は「ウォーキング」なのだ!

    昨年2月にスポーツ庁から公表された平成29年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」に目を通す機会があった。本調査は昭和54年度から概ね3年ごとに実施してきた「体力・スポーツに関する世論調査」を踏襲するもので、「スポーツの実施状況等に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とする。」という目的の下、全国の登録モニターになっている18~79歳の男女を対象にWEBアンケートを実施したもの。有効回答数2万件のデータを分析している。

 

  今回は、その結果概要を紹介しつつ、私なりの所感をまとめたい。

 

  まず「スポーツ実施率」について。週1日以上運動・スポーツをする成人の割合は51.5%(前年度42.5%)、週3日以上では26.0%(前年度19.7%)。10代~40代において前年度より10ポイントを超える伸びを示し、特に20代女性は17.6ポイント増となった。男女とも70代が最も高く70%を超えていた。一方、男性で最も低かったのは50代の45.5%、女性で最も低かったのは40代の37.8%であった。また、「この1年間に運動・スポーツはしなかった」かつ「現在運動・スポーツはしておらず今後もするつもりがない」と答えた者が、まだ20.7%(前年度27.2%)存在していることも分かった。

 

  次に「実施状況の変化の要因」について。運動・スポーツを行った理由としては、「健康のため」が75.2%と最も多く、「体力増進・維持のため」50.1%、「運動不足を感じるから」44.1%などが続いている。(複数回答可)また、実施頻度が減った或いは増やせない理由としては、「仕事や家事が忙しいから」が39.9%と最も多く、「面倒くさいから」25.3%「年を取ったから」19.9%などが続いている。

 

 三番目に「みる・ささえるスポーツ」について。「この一年に直接現地でスポーツ観戦を行った」と答えた者は26.9%、「この一年にスポーツに関するボランティアに参加した」と答えた者は10.6%で、スポーツ実施頻度が高い層ほど参加率は高い。内容は「大会・イベントの運営や世話」が27.6%と最も多く、「運動・スポーツの指導」23.7%、「スポーツクラブ・団体の運営や世話」23.4%、「自身やお子様が所属するスポーツ団体やクラブでの補助的な活動」20.9%などが続いている。(複数回答可)

 

  最後に「スポーツの価値」について。運動・スポーツについて、「大切」「まあ大切」としている者の割合は66.4%。運動・スポーツの価値は、運動実践頻度が高い層ほど強く感じている。

 

  以上が、報道発表の結果概要である。我が国のスポーツ行政が長い間目標にしてきたスポーツ実施率が、全体として50%を超えた結果は素直に喜びたいと思う。(今後の目標は65%程度になった。)しかし、年代別の実施率はバラつきがあるとともに、週1日以上運動・スポーツを実施していない人も全体の約5分の1いるという現状に目を向け、その原因を解明した上で有効な手立てを講じる必要があると思った。

 

    また、これらの調査結果以外で、私が注目したのは、「1年前と比べて運動・スポーツを実施する頻度が増えた」と答えた者の77.7%が「ウォーキング」を実施していることである。また、「初めて実施したまたは久しぶりに再開した運動・スポーツ」でも52.4%の人が「ウォーキング」と応えている。これらの数字は他の種目に比べて断トツなのである。さらに、その実施状況を見ても、前年度に比べて全世代が実施人数・実施割合共に高くなっており、特に男女の10代から30代で実施割合が大幅に高くなっている。私は高齢者や壮年者の実施割合が高いものと思っていたので、若い世代に「ウォーキング」実施者が増加している結果に驚いた。健康づくりのイベントで取り上げる種目に「ウォーキング」は欠かせないのではなかろうか!