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「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

「教育」に関わる公共性の高い仕事に再挑戦することになりました!

    今年1月末をもって前職を辞してから5か月の月日が過ぎた。しばらく心身の疲労を解消することに専念していたが、2月下旬からの約2か月間は、私にとって二人目の孫になるMの「孫育て」とも言える、二女の子育てサポートに全力で取り組んだ。その間に、新型コロナウイルスの感染予防のために我が家を訪れることがほとんどなかった初孫Hは、通園している認定こども園の年中組になっていた。4月下旬になって二女と孫Mは他市にある自宅マンションへ帰ったので、それ以後は待ちかねたようにHが我が家を訪れることが多くなり、私のHに対する「孫育て」は以前以上に忙しくなった。また、向こうの実家で行われたMの「お七夜」「お宮参り」「お食い初め」等の行事に、フリーになっていた私も全て参加することができた。さらに、ここのところ認知機能が衰えてきた高齢の義母との関わりも深くなってきて、この5か月間の私の日常生活は、親密な家族圏における活動によって大変充実したものになった。

 

 反面、それ以外のプライベートな時間は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するために「ステイホーム」を余儀なくされたので、妻と共にショッピングやウォーキングをする以外はもっぱら読書をしたりブログの記事を綴ったりする趣味的活動で占められていた。そのような中にあった3月上旬のある日、「なんとなく退屈だ」とか「社会的に有意義な仕事をしていないと人生を充実できないのではないか」とかという実存的な問題が私を襲ってきた。それから5月中旬頃まで、私はそれらの問題としっかりと向き合い、関連する本を参考にしながら自分なりにその相対化を図ったり対応策を考えたりしてきた。その結果、私は次第に心身共にリラックスした状態を取り戻してきて、再び勤労意欲が沸いてきたのである。

 

 自己流のリタイア生活はいつからでもできる。やはり心身が健康な状態なら70歳ぐらいまでは、私が天職だと思っている「教育」に関わる公共性の高い仕事や活動に再挑戦してみたい。そのような思いを持ち始めた5月下旬になって、私はウェブ上で就活を再開した。すると、何と就活を再開したその夜に、当市の教育委員会・学校教育課から「特別支援教育指導員」を緊急公募するという実施要領を偶然に見つけた。ただし、公募期限は何と翌日まで!私は応募に必要な書類を急きょ夜中に作成し、翌日の午前中に提出先の教育委員会の受付窓口まで持参した。その後、6月中旬頃に面接試験があり、翌週には合格通知書が届いたのである。応募者の中でおそらく一番高齢だったのではないかと想像するが、それだけに「66歳という歳で再就職希望が叶うとは、本当に有難いことだ!」と感謝の気持ちが自然と沸き起こってきた。

 

 以上のような経緯で、私は7月1日(木)から当市の教育委員会・学校教育課で「特別支援教育指導員」として勤務している。現職中には一度も教育行政の立場で仕事をした経験がなかった私だが、退職後にその仕事をする機会に恵まれた。しかも障害のある子供に対する適切な学習や就学、就労等を保障するために、担任の教員や保護者等を対象にした教育相談が主たる業務になる公共性の高い仕事である。私の関わり方次第では、障害のある子供やその保護者等の夢や目標を実現することに繋がる、やりがいのある仕事なのだ。私は俄然、仕事内容に対するモチベーションが上がってきた。

 

 まだ勤務し始めて二日しか経っていないが、職場の雰囲気は大変よい。同じ業務に携わる仲間は女性5名・男性1名なので、私を入れると7名で業務分担をしている。その中で退職教員が私を含めて4名、今までに「特別支援教育」に係わる仕事の経験がある者が3名。それらの職歴をもつ者だからという訳ではないが、皆さん人権意識が高く他者を尊重する態度を身に付けている方々とお見受けした。私にとっては、いや誰にとっても、この上ない職場の人的環境である。もちろん業務を遂行していく過程では、考えや意見が異なることもあると思うが、この雰囲気なら対話的に課題解決していけそうである。まだ詳しい業務内容を理解している訳ではないが、学校現場へ直接出掛けて行う「教育相談」が主たるもののようである。今は、早く教育相談活動という実務に取り組みたいと思っている。

 

 でも、その前に「特別支援教育」に関する基本的な知識や具体的な取り組み方等について、復習しておかねばならない。今から約20年前に、それまでの「特殊教育」という考え方から、新たに「特別支援教育」という考え方にパラダイムが転換した。その頃、私は昇任教頭として山間部の僻地校へ単身赴任した当初だったので、職員住宅で夜間の自由時間を活用して「特別支援教育」の研修を自主的にしていた。特に通常の学級にも約6%は在籍していると言われる「発達障害」がある子の特性やその特性に応じた支援の工夫について、関連する文献を読んで研修をしていた。また、その後校長に昇任してからは、勤務した小・中学校に設置していた特別支援学級の子供たちとの関わりを積極的に持ち、実践的な知見を高める努力をしてきた。しかし、教職を離れてもう6年も経つ。再度の研修が必要である。だから、ここ数日間はそのために精力的に「特別支援教育」に関する重要な文献を読み直すことに集中したいと考えている。