教育・子育て
ずっと気になっていた本だった。それは、以前からその言論活動に注目していた評論家の東浩紀氏が上梓した朝日新書の『訂正する力』というタイトルの本。昨年の11月頃から職場近くのデパート内に入っている紀伊国屋書店に平積みしているのは知っていたが、…
3月中旬から4月中旬の週末の休日は、私的な行事や活動等で忙しく、ブログの記事を執筆する心身の余裕がなかった。そのため、ここ3週間ほど近く更新することができず、何となく焦りのような気持ちに襲われていた。そこで今回は、それらの行事や活動等にお…
若い頃にチャレンジしてみたものの、途中で頓挫してしまった本が数冊かある。その中の一冊に『初期心的現象の世界―理解のおくれの本質を考える―』(村瀬学著)があり、その続編に位置づく『理解のおくれの本質―子ども論と宇宙論の間で―』に至っては40年近…
探究による学びの過程をワクワクしながら追体験することができる本に出合った。『言語の本質―ことばはどう生まれ、進化したか―』(今井むつみ・秋田喜美著)である。著者の一人である今井氏は、言語と身体の関わり、特に音と意味のつながりが言語の発達にど…
私には、ともすると子育てに関する常識的な考えを十分に検討し直さないまま鵜呑みにしてしまう傾向があると思う。例えば、「あいさつが基本である。」「たくさんの言葉掛けをする方がよい。」「スマホ育児はよくない。」等々、どれも常識的な子育ての考えだ…
2月2日(金)に年休を取って、愛媛大学教育学部附属幼稚園・小学校で開催された「第102回 愛媛教育研究大会」に参加した。午前中は、附属小学校で公開された授業の中から6年生のくすのき学習(総合的な学習の時間)の単元「共に燦めけ 道後の町とわたし…
1983年9月、最先端の哲学を扱った高度な内容の『構造と力―記号論を超えて―』(浅田彰著)という単行本が勁草書房という出版社から刊行され、何と15万部を超える大ベストセラーになった。それを契機にして「ニュー・アカデミズム」(略称「ニューアカ…
12月15日(金)18:30~20:00、愛媛大学教育学部附属小学校の1年教室で、「第7回愛媛の探究をつくる会」が開催された。今回は、『「探究による学び」を探究しよう』というテーマで、私がファシリテーターになって哲学対話をするという企画で…
私の職場の隣には市の男女共同参画推進センターの建物があり、その2階にちょっとした図書コーナーがある。昼休みの時間にたまにそこを訪れるのだが、先日ちょっと興味を惹く本を見つけた。それが、今回の記事で取り上げる『自信がもてる子が育つこども哲学―…
11月19日(日)の午前中、愛媛大学教育学部2号館の4階多目的講義室を会場にして開催されたSDGs研修会の講演「協働する探究のデザイン―すべての教師が大切にされる探究―」を拝聴することができた。講師は一般社団法人「こたえのない学校」代表理事…
やっと秋の気配を実感するようになったと思っていたら、10月も下旬になっていた。仕事関係では初旬から「就学児を対象とした秋の教育相談」の運営を行う事務局の業務に追われたり、自身が相談担当をして審議資料を作成したり、中旬には「特別支援学級に在…
9月下旬になったのに、まだ真夏日が続いている。朝晩は少しの冷気を含んだ空気になり、微かな秋の気配を感じるようにはなっているが、それでも日中は残暑が厳しい。日本の四季は、本当に夏と冬の二季になってしまうのか。季節の移ろいを楽しむ気分に浸るこ…
先日の日曜日、車で約1時間半の場所に住んでいる二女とその長男M(私たち夫婦にとって二人目の孫)を訪れた。父親は、市役所の秘書課勤務なので日曜日でも出勤していて不在。Mとは久し振りの再会だったが、すぐ私たちに甘えてくれた。まだ2歳4か月なの…
書店で『医療ケアを問いなおす―患者をトータルにみることの現象学―』(榊原哲也著)という書名を見た時、私はサブタイトルの「トータルにみる」と「現象学」という言葉に強く惹かれた。その理由の一つは、私が現職中に子どもの問題行動を理解する視座として…
今年のゴールデンウィークを9連休にするために、5月1日(月)と2日(火)に年次有給休暇を取った。ただし、4月29日(土)~30日(日)に二女が趣味でやっているフラダンスの発表会に出演するために、孫Mと共にやって来て一泊して帰ったので、ゆっ…
4月中の勤務内容はまだほとんどが「研修」なので、今まで気になっていたことについて考えを深めてみようと思い、最近購入した『発達障害「グレーゾーン」―その正しい理解と克服法―』(岡田尊司著)を読み進めた。本書は、発達障害の徴候はあるが診断は下り…
3月末~4月上旬に掛けて、長女たちは新しく購入したマンションへ引っ越しをした。私たち夫婦は、土日はもとより平日の夕方などを活用してその手伝いをしていたので、何かと慌ただしい私生活を送っていた。また、公的にも年度末の人事異動による転任者を送…
3月も中旬を過ぎると、ほとんど各学校からの教育相談業務はなくなり、私たち特別支援教育指導員の仕事は開店休業状態になる。こんな時は、自分の課題意識に即した特別支援教育関連の本を読んで研修をしようと、私は少し気合を入れて読む必要があると思って…
前回の記事で、2020年度から小学校で全面実施となった新学習指導要領で謳われている「主体的・対話的で深い学び」(「アクティブラーニング」のこと)を、私は無意識に「エセ演繹型思考」によって受容していたことを反省し、意識的に「帰納型思考」を駆…
全国の小学校は2020年度から新学習指導要領を全面実施する予定だったが、政府が3月から5月まで新型コロナウイルスによる感染症対策の一つとして各学校の全国一斉休校措置を取ったために、思わぬ事態に陥り全面実施どころではなくなってしまった。特に…
先月10日(金)の「愛媛の探究をつくる会」が終わった後、附属小学校の道徳科を研究している先生と「道徳科教育の在り方」について少し意見を交わすことができた。主に道徳科と他教科等との合科的・関連的な指導を構想するカリキュラム・マネージメントの…
前回の記事で、2月3日(金)に開催された第101回愛媛教育研究大会において、体育科の公開授業を参観したり研究協議会へ参加したりした内容の概要と簡単な所感を綴った。実は、その大会当日にわずか10分間ほどだったが、私は1年生の「ぎんなん学習」(生…
2月3日(金)に開催された第101回愛媛教育研究大会(幼稚園・小学校の部)へ参加させてもらった。新型コロナウイルスの感染拡大のために、この2年間はオンラインでの開催だったので、対面での開催は3年振りである。私は午前中2つの体育科の公開授業…
今年も早や2月を迎え、本年度は後2か月ほどで終わる。本年度の勤務状況について振り返るにはまだ早いかもしれないが、特別支援教育指導員として昨年度とは少し内容が異なる教育相談を担当することがあったので、今回はそのことについて綴ってみようと思う…
今の職場の隣に、半年間勤務して約2年前に退職した職場である当市の男女共同参画推進センターがあり、その2階に図書コーナーが設置されている。主には男女共同参画推進に関する本を所蔵しているが、小説やエッセー、子育て本等も少しは並んでいるので、勤…
世間でいう「クリスマス」は今日だが、我が家の「クリスマス会」は先週の土曜日にもう済ませた。久し振りに長女と二女がそれぞれの長男(私たち夫婦にとっては孫たち)を伴って来訪してくれたので、家族そろって妻の誕生日(12月29日)の前祝いを兼ねて…
「やればできる!」 最近、テレビによく出演しているお笑いコンビ「ティモンディ」の高岸が連発するキャッチフレーズである。このフレーズのルーツは、高岸の母校・済美高校の校歌の中にある、『やればできるは魔法の合言葉』という歌詞である。元高校球児の…
秋らしい日が続くようになったので、私は久し振りに昼休みを利用して、職場近くのデパートに入っている紀伊国屋書店へ行ってみた。特別にはっきりした目的があったわけではない。最近、書店へ行く暇もなかったので、どのような新刊書が並んでいるのか知りた…
前回の記事で、村上龍著『オールド・テロリスト』を取り上げて、私の「村上龍」作品の読書体験の概要を述べた。その際に、私の興味内容の転換点に位置付けたのが、教育問題に対する彼の課題意識の高さを表した『希望の国のエクソダス』という作品であったこ…
9月4日(日)の午前中、私は本県の生涯学習センターが主催するコミュティ・カレッジを初めて受講した。なぜ受講してみようと思ったかというと、本講座のテーマが「小さな科学者としての子ども―幼児教育の再発見―」だったからである。特にサブテーマに即し…