ようこそ!「もしもし雑学通信社」へ

「人生・生き方」「教育・子育て」「健康・スポーツ」などについて考え、雑学的な知識を参考にしながらエッセイ風に綴るblogです。

教育・子育て

約20年前の「村上龍」の学校教育に対する問題意識とは?~村上龍著『希望の国のエクソダス』を再読して~

前回の記事で、村上龍著『オールド・テロリスト』を取り上げて、私の「村上龍」作品の読書体験の概要を述べた。その際に、私の興味内容の転換点に位置付けたのが、教育問題に対する彼の課題意識の高さを表した『希望の国のエクソダス』という作品であったこ…

子どもは小さな科学者!~現代教養講座(放送県民大学)で学んだこと~

9月4日(日)の午前中、私は本県の生涯学習センターが主催するコミュティ・カレッジを初めて受講した。なぜ受講してみようと思ったかというと、本講座のテーマが「小さな科学者としての子ども―幼児教育の再発見―」だったからである。特にサブテーマに即し…

「子どもを苦しめる親」について考える~水島広子著『「毒親」の正体―精神科医の診察室から―』から学んだことを基に~

私の自宅療養期間も今日で終わる。「濃厚接触者」だった妻が倦怠感や発熱等の症状が出始めたのは15日(月)で、お盆休みの中やっと見つけた病院で抗原検査を受けて陽性の判定が出たのは16日(火)。それから既に1週間が経った。今では二人とも平熱にな…

多忙生活の中、学校生活支援員研修会で講話をしました!~小崎恭弘著『発達が気になる&グレーゾーンの子どもを伸ばす 声かけノート』から学んだことを基にして~

お泊まりをしていた孫Hと遊んだり世話をしたりすることに追われた7月末の土日が過ぎ、ちょっと一息入れたいと思っていた8月に入っても、私の多忙生活は続いていた。第1週目には、市内の4つの児童発達支援センターへ通っている重い障害のある年長児に関…

多忙な日々を過ごしたこの2週間ほどを振り返る!

先週から今週に掛けて、公私ともに超多忙な日々を私は送っていた。そのため、当ブログの記事を綴ることはもちろん、読書の時間を確保することもままならなかった。ブログの更新を2週間ほどできなかったのは、久し振りではないかと思う。別に決めている訳で…

「分人」って、何のこと?~平野啓一郎著『わたしとは何か―「個人」から「分人」へ―』から学ぶ~

例年よりもかなり早く6月末には梅雨が明け、厳しい暑さが連日続く中で7月に入った。私が当市の教育委員会で特別支援教育・指導員として働き始めて、丸1年が過ぎた。現在、午前中は、派遣相談申請のあった学校へ出向き、何らかの「困り感」のある子どもの…

<支援>と<共治>を志向する教育委員会のあり方について~山口裕也著『教育は変えられる』から学ぶ~

今年のゴールデンウィークも終わり、気が付けば5月も中旬になっていた。何らかの「困り感」をもつ子どもの学級担任や保護者に対する「教育相談」業務が少しずつ増えてきて、特別支援教育指導員としてやっと腰が落ち着いた勤務状況になってきた。ただし、通…

自分らしい生き方を探り出すために求められる「先駆的な決意性」について~「100de名著」におけるハイデッガー著『存在と時間』のテキストから学ぶ~

5月2日(月)を年休にしたので、私のゴールデンウィークは4月29日(金)から5月5日(木)までの7日間だった。その間、二女と孫Mが一泊したり、長女と孫Hが日中遊びに来たりしたので、久し振りに二人の孫たちとじっくりと関わる時間が取れた。満1…

「栗本慎一郎」から受けた思想的インパクトを回想する!~仲正昌樹著『集中講義 日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか―』を再読して~

私は千葉雅也著『現代思想入門』を読んだことをきっかけにして改めて日本における「現代思想」について振り返ってみたくなり、書棚に並べていた仲正昌樹氏の著作群の中から『集中講義 日本の現代思想―ポストモダンとは何だったのか―』を取り出し、先月中旬頃…

教育学のメタ理論体系について~苫野一徳著『学問としての教育学』から学ぶ~

昨年7月から本市教育委員会の学校教育課で特別支援教育指導員として勤務し始めて、この4月で10か月目を迎えた。年度が変わって職場環境が4階の学校教育課分室から3階へ移動し、7名の指導員の座席も通路を挟んで4名と3名の2つに分かれるという変化…

山間部の中学校に勤務していた頃の苦い経験を振り返る!~池永陽著『青い島の教室』をきっかけにして~

当ブログの以前の記事(2020.7.28/2021.5.16付け)で取り上げた『コンビニ・ララバイ』や『珈琲屋の人々』シリーズの著者である池永陽氏の『青い島の教室』という作品を読んだ。都内の中学校で体罰問題を起こし、伊豆諸島の離れ小島に飛…

グレーゾーンにこそ<生きること=学ぶこと>の醍醐味がある!~千葉雅也著『現代思想入門』の「はじめに 今なぜ現代思想か」に共感して~

最近、私のTwitterのタイムラインで評判になっている『現代思想入門』(千葉雅也著)を読んでみた。今、再度読み直しているのだが、改めて「はじめに 今なぜ現代思想か」の内容が私の心に深く沁み込んでくる。というのは、今から約30~40年前に私が地元…

ネットなどの二次的情報の後追いへの偏重に気を付けて!~養老孟司著『子どもが心配―人として大事な三つの力―』から学ぶ~

長年愛用している腕時計の電池が切れて針が動かなくなったので、近くのイオンモールに入っている時計店へ持って行った。電池を入れ替えてもらっている間に、階上のフロアに入っている書店で新刊の本を物色していたら、気になる新書を見つけた。東京大学名誉…

出臍コンプレックスについて~帚木蓬生著『風花病棟』所収「チチジマ」に触発されて~

今年の1月、埼玉県ふじみ野市の住宅地で、男が散弾銃を発砲し、在宅クリニックの医師を殺害するという事件があった。殺された医師は、その人柄や診療振りが地域の人々や患者から評判のよい良医だったという。長らく介護していた母親を事件前日に亡くした容…

「子ども虐待」という発達障害?~杉山登志郎著『発達障害の子ども』『発達障害のいま』を読んで~

「子ども虐待」によって死に至らせたのではないかと思われる痛ましい事件が起こった。テレビニュースによると、神奈川県大和市で母親が7歳になる次男を窒息死させたという殺人容疑で逮捕されたらしい。今までに、その母親の長男、長女、そして三男も、生後…

発達障害のある子の育て方で大事なポイントについて~本田秀夫著『子どもの発達障害―子育てで大切なこと、やってはいけないこと―』から学ぶ~

昨日、新型コロナウイルスの第3回のワクチンとして半分量のモデルナを接種した。テレビニュースによると、「第1・2回がファイザー、第3回がモデルナという交互接種による抗体の増え方は第3回もファイザーを接種した場合よりも約1.5倍あるが、副反応…

「伝達>生成」モードの授業を「伝達<生成」モードの授業へと転換していこう!~伊藤亜紗著『手の倫理』から学ぶ~

当ブログの2021年9月19日付けの記事で、『日本哲学の最前線』(山口尚著)という新書を取り上げた際に、日本の「J哲学」の担い手の一人である美学者・伊藤亜紗氏の『手の倫理』について言及した。記事の中で、私は本書で使用されていた「道徳」と「…

特別支援教育って、「発達障害」のある子どもたちを支援する教育のこと?~岡崎勝編著『発達障害 学校で困った子?』から学ぶ~

愛知県名古屋市で40年以上、小学校教員を経験して現在は非常勤講師(理科)をしている「岡崎勝」という人がいる。おそらくもう70歳を迎えようとする年齢ではないかと思うが、今から約30年前に私は彼の名前をある本を読んで知った。その本というのは当…

「皮膚感覚」の敏感さと「姿勢保持」の弱さとの関連について知る!~長沼睦雄著『子どもの敏感さに困ったら読む本―児童精神科医が教えるHSCとの関わり方―』から学ぶ~

新年になってあっという間に、新型コロナウイルスの感染が急拡大してきた。“第5波”が収束してしばらく感染者が少なくなっていたので、昨年は大事をとって控えていた年末年始の帰省や旅行をする人が増えて人流が活性化したことや、デルタ株よりも感染力が強…

「吃音」が出る時とその対処法について~伊藤亜紗著『どもる体』から学ぶ~

新年が明けて2日のお昼には長女夫婦と孫Hが、3日のお昼には二女夫婦と孫Mが、年始の挨拶代わりに我が家を訪れて一緒におせち料理やお雑煮等を味わってくれた。老夫婦だけの食卓とは違い、正月らしい賑やかな食卓になった。また、それぞれの孫と一緒に遊…

教育相談における「エビデンス」の問題について考える~國分功一郎・千葉雅也著『言語が消滅する前に』から学ぶ~

12月中旬に、昼休みの時間を利用して散歩がてら職場近くの大型書店へ出掛けた際に、興味深い本を見つけた。それは『言語が消滅する前に』(國分功一郎・千葉雅也著)というちょっとショッキングな書名の新書版だった。私の手は自然と伸びて、本書の目次ペ…

どんな時に「吃音」が出るのか?…~重松清著『きよしこ』と重松清・茂木健一郎の対談『涙の理由―人はなぜ涙を流すのか―』を再読して疑問に思ったこと~

今月18日(土)の夕方、NHK総合1で「吃音」のある少年が様々な経験をしながら成長していく姿を描いた小説を映像化した、土曜ドラマ『きよしこ』の再放送があった。最近、「吃音」のある年長の男児の保護者から適切な学びの場について教育相談を受けた…

保護者との教育相談で心掛けていること~宮口幸治著『どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―』から学ぶ~

10月になって学級担任が変わったことがきっかけになり、授業中に多動性や衝動性が強く現れるようになり、自学級では対応できない状況になったので、一時的に隣のクラスに入って学校生活を送っているという児童に関する教育相談を、私が主になって担当する…

「境界知能」の範囲にいる子どもたちに特別な支援の手立てを!~宮口幸治著『ケーキの切れない非行少年たち』から学ぶ~

特別支援教育・指導員の仕事を始めて、もう半年ほどが経つ。主たる仕事は、幼稚園や保育園、小・中学校等から市の教育委員会へ申請された、何らかの「困り感」をもつ子どもに対する効果的な支援内容及び方法、また適切な学びの場についての教育相談を行うこ…

「吃音」って、どのように克服するのだろうか?~伊藤亜紗著『記憶する体』(エピソード10「吃音のフラッシュバック」)を読んで~

学校で様々な「困り感」をもつ子どもの適切な学びの場や、その子の特性に応じた学校や家庭での支援の工夫等に関する教育相談を行う仕事をするようになって、約4か月半。改めて、様々な「困り感」をもつ子どもたちは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠…

新型コロナの“第5波”が収束している束の間に考えたこと~福岡伸一・伊藤亜紗・藤原辰史著『ポストコロナの生命哲学―「いのち」が発する自然(ピュシス)の歌を聴け―』を読んで~

11月に入ってから、急速に新型コロナウイルスの感染者数が減ってきた。本県でもここ数日、感染者0名が続いていて、知事も恒例の記者会見で「“第5波”は収束した。」という主旨の発言をしていた。それに伴って、社会経済活動もコロナ前の日常性を取り戻そ…

教育における“利他”をどうとらえるか?~伊藤亜紗編・中島岳志・若松英輔・國分功一郎・磯崎憲一郎著『「利他」とは何か』から学ぶ~

美学者の伊藤亜紗氏が著した『目の見えない人は世界をどう見ているのか』を読んで以来、彼女の発言内容に関心を持つようになった私は、最近『「利他」とは何か』(伊藤亜紗編・中島岳志・若松英輔・國分功一郎・磯崎憲一郎著)を読んだ。その中で彼女が執筆…

1年振りに孫Hを「こどもの城」に連れて行った日を振り返って~孫Hの近況報告も兼ねて~

先週の土曜日に1年振りに、孫Hを連れて当市の郊外にある「こどもの城」という施設を訪れた。前回、乗ることができなかった園内の池を利用したボート乗り場に行って、あひるのボートに乗せてやりたいと思ったのが、その目的の一つであった。だから、私たち…

障害者に対する差別や偏見を助長する「世間」の変化とは…~佐藤直樹著『目くじら社会の人間関係』から学ぶ~

先月22日(水)の地元の新聞紙に<児童に「生きる価値なし」 特別支援学級教諭を免職>という見出しの記事が掲載された。その記事によると、兵庫県姫原市立のある小学校教諭(39歳の男性)が、2018年~2021年6月の間に、かばんをしまわないなど…

「障害」を媒介にして人々の関係を変えよう!~伊藤亜紗著『目の見えない人は世界をどう見ているか』から学ぶ~

前回の記事をアップした後、私は当ブログで以前に「伊藤亜紗」という美学者に関わる内容の記事を綴ったことがあったことを思い出した。それは、「スポーツは見えない?」(2019年3月20日付け)というタイトルで、彼女がNTTと共同して「目の見えな…